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新型コロナウイルスにより派生する可能性のある法律紛争について



新型コロナウイルスにより派生する可能性のある法律紛争について

 

新型コロナウイルス肺炎が世界中に蔓延しており、その勢いは今もなお収まっていません。今回の疫病の流行は、各人の生命安全に関わるだけでなく、多くの法律問題に波及するおそれがあります。ここでは、公共工事を中心に、留意点をご紹介致します。

 

一、新型コロナウイルス肺炎が公共工事契約又は民間参与促進公共建設契約(BOTなどがこれに該当します。)における不可抗力事由を構成するか否か

 

(一)行政院公共工事委員会の200357日のプレスリリースでは(当時SARSが世界的に流行していました。)、公共工事について、施工場所が疫病予防ため管理対象となったこと、又は事業者の作業員が疫病予防のための強制隔離をされたこと等により、工期が遅延した場合、事業者又は行政機関は工期延期について協議することができるとされています。

(二)民間参与促進公共建設案件の投資契約又は地上権設定契約についても、今回の疫病流行が不可抗力事由となり、締結済みの契約の賃料や権利金の調整など影響を及ぼす可能性があります。

(三)ただし、不可抗力及びその範囲については、原則として、権利を主張する当事者が立証責任を負います。また、この際は不可抗力事由の存在に加えて、当該不可抗力事由と不履行・遅延や損害発生との間の因果関係も立証する必要があります。よって、今回の疫病流行が不可抗力事由等を構成し、当事者の権利義務に影響を与えるか否かは、個別の事案ごとに判断されることになります。

 

二、不可抗力事由の通知

 

今回の疫病流行が不可抗力事由に該当する場合でも、契約上の不可抗力の通知義務に留意する必要があります。不可抗力事由を主張できる可能性があっても、通知義務を怠った場合、事業者が有していた権利が制限される可能性があります。

 

三、自身の契約をレビューし、契約に関して主張できる権利を確認することの必要性

 

公共工事委員会が作成した工事契約雛形では、疫病が不可抗力事由の一つとして列挙されています。また、民間参与促進公共建設に関する投資契約雛形でも、不可抗力事由は契約上の権利を調整できる事由の一つとして列挙されています。

 

そのため、今回の疫病流行に関して、事業者がどのような損害について補償を請求できるのか、どのような権利が影響を受けるのか、工事延期を主張できるのか等については、いずれも個別案件の契約、民法の関連規定、政府調達法等に基づいて、判断する必要があります。

 

以上、公共工事を中心にごく簡単に留意点をご紹介致しましたが、民間企業間の契約でも不可抗力の規定、そして不可抗力の通知義務などが入っていることが少なくありません。また、民法の不可抗力に関連する規定についても留意する必要があります。今回の疫病流行より派生する法律紛争等について、より詳しい説明をご必要の場合には、当事務所までご連絡ください。今回の疫病流行により生じた法律紛争により不利益を被らないように、できる限りお役に立てればと考えております。



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