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額面株式制度の変革



一、  額面株式制度に起因する実務問題

 

201876日立法院は会社法の株式発行、株式の額面金額、更には資本制度の重大で根本的な変革までも含めた改正を最終可決しました。この改正前の会社法第156条第1項では、「股份有限公司の資本は株式として分けられ、一株あたりの金額は一律でなければならず、一部は種類株とすることができる。その種類は定款により定めるものとする。」と規定されており、法改正前の会社法第162条でも股份有限公司が認証を経て発行した株式は発行総数及び「一株あたりの金額」を記載しなければならないと規定されています。このことから、以前の会社法は額面金額(以下、「額面」という。)制度を採用し、つまり、一株ごとの金額は固定的かつ同額でなければならず、無額面株式は承認されていなかったことがわかります。

 

額面制度の意義は、過去の慣習で資本と株式が密接で不可分な関係にあったことから、会社の総資本を均等な株式とし、一株あたりの金額を株式の最小単位(額面株式を実際に株式を発行したときの最低発行価格)としなければならず、額面は同時に発行価額において割当てなければならない資本の最低限度額を示しています。しかし、額面を会社株式の価値の最小単位とすることで、株式の分割または合併に対して不必要な制限を生み出し、また対応する会計処理も相当複雑になり、いずれも会社の資本構成の柔軟性を損なわせていると批判を受けています。

 

二、  会社法の改正に関する内容のご紹介

 

20159月に通過した改正法で新たに追加された第356条の6により、閉鎖性股份有限公司は額面株式か無額面株式かを選べるようになりました。前述の額面制度の欠点を避けること以外にも、無額面株式は額面に株式の最低発行価格がないことから、会社が株式の発行価格を柔軟に決定できるようになり、増資および資金運用を柔軟に行うのに有利となります。

 

この通過した改正法の第156条第1項で股份有限公司は「額面株式または無額面株式の採用を択一」できると明記され、同条第2項で「無額面株式を採用した場合、その株式の発行価額は全額資本に割当てなければならない。」と追加されました。簡単に言うと、この法改正後、股份有限公司は額面株式か無額面株式かどちらかを選択して発行することができるようになりましたが、両方ともを選択することはできません。会社が発行済額面株式を無額面株式に転換する決議をしたとき、会計処理上まずは資本準備金とし(つまり前述のプレミアム発行の額面の発行価額の超過分)、そして全額を資本に振替えます。一旦無額面株式を採用した後に、さらに額面株式に転換することはできません。

 

三、  改正未完の部分

 

この改正が立法院で最終可決される前、経済部商業司が201821日に経商字第10702402640号書簡で額面株式制度において著しく低い額面を採用する更に柔軟なメカニズムを認めたところ、この極端に低い額面を採用した会社の払込資本金は無額面株式を採用した会社と比べて確実に大幅に低いものとなりました。現行の会社登記費用の徴収規則によると、原則として払込資本金4,000台湾ドルごとに1元徴収という基準が未だに採用されています。そのため、無額面を採用することで株式の発行価額全額を資本に組み入れ、より高い登記費用を納付することになるのを避けるために、ベンチャー企業の多くが1元以下の極端に低い額面の額面株式を選択する可能性があります。よって、会社登記費用の徴収規則も改めなければ、無額面制を取り込んだ立法の本意が実現できない恐れがあります。

 

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