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お知らせ:改正台湾特許法の施行日について
お知らせ:改正台湾特許法の施行日について
台湾の改正特許法(以下、「改正法」と言います。なお、台湾の特許法は、発明特許・実用新案・意匠を含みます。)は、2019年4月16日に立法院(日本の国会に相当)で可決され、総統により2019年5月1日に公布された後、行政院(日本の内閣に相当)は、2019年7月31日に、2019年11月1日から施行することを正式に決定しました。
当該改正法の内容は、主に以下の5点となります。
一、 査定(処分)後の分割出願の適用範囲と期間の拡大(第34、46、71、107、119、120条)。
現行法では、特許出願の初審査の特許査定書送達後30日以内に出願を分割することができますが、再審査の査定後は、出願を分割することができません。今回の改正法により、初審査の特許査定書又は再審査の特許査定書送達後3ヶ月以内、及び実用新案の登録処分書の送達後3ヶ月以内に出願を分割することができるようになります。
今回の改正法により、分割出願の適用範囲及び期間が大幅に拡大されましたので、改正後は分割出願を利用しやすくなると思われます。
二、 無効審判の効率の向上(第73、74、77条)。
改正法では、無効審判請求人が理由又は証拠を補完できる期限を、無効審判請求後「1ヶ月以内」から「3ヶ月以内」に改正され、その期限を過ぎて提出した場合は斟酌されません。また、無効審判請求の審判期間、及び特許権者が訂正を請求できる期間と要件も、併せて規定されました。
今回の改正法により、これまで3~5年も要した無効審判は、その審判期間が大幅に短縮されると予想されます。
三、 実用新案の訂正の請求期間と審査方式の改正(第118条)。
改正法では、実用新案の訂正の請求期間が「実用新案技術報告請求の受理中」及び「訴訟事件の係属中」に規定され、また、訂正の審査方式は、形式審査から実体審査に変更されます。
四、 意匠権の存続期間の延長(第135条)。
多くの国において意匠権の存続期間が15年であることを考慮し、改正法では、意匠権の存続期間が「12年」から「15年」に延長されます。
五、 専利ファイルの保存期間の改正(第143条)。
専利ファイルの保存空間不足を解決するために、もともと永久保存されていた書類のファイルは、特許主務官庁が保存価値ありと認めた場合に限り永久保存し、その他のファイルはその類型によりその保存期間が定められることになりました。
上記5点に加え、改正法では、優先権主張の回復の事由(第29条)及び特許権存続期間の延長に関する無効審判請求の事由(第57条)を改正するとともに、過渡期における法律の適用(第157条の2~4)についても規定されています。
ご参考のため、当所にて、当該改正法の条文と現行条文の対照表(日本語訳)を作成いたしましたので、添付いたします。ご参考になれば幸いに存じます。
ご質問、お気づきの点、ご要望などございましたら、お気軽に林宗宏弁理士(chlin@leeandli.com)までお問い合わせください。
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