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会社責任者及び事実上の取締役の範囲の拡大



2018年に会社法が全面的に改正されましたが、その際、会社責任者の定義及び事実上の取締役の範囲について、コーポレートガバナンス機制の構築及び株主権の保障を強化するため、以下のとおり改正されました。

 

一、「臨時管理人」も会社責任者であることが追加規定されました

 

台湾の会社法では、第8条にて会社責任者について明確に定義されています。第8条第1項によると、会社責任者とは、無限公司(合名会社に相当)、両合公司(合資会社に相当)では、業務を執行する又は会社を代表する社員、有限公司(合同会社に相当)、股份有限公司(株式会社に相当)では取締役であると規定されています。なお、改正前の会社法第8条第2項では、列挙方式により、会社の経理人(支配人に類似)又は清算人、股份有限公司の発起人、監査役、検査人、更生管財人又は更生監督人も、職務執行の範囲内で会社責任者となると規定されていました。

 

しかし、上記の改正前の会社法第8条第2項の会社責任者の列挙の方法では、取締役会が職権を行使しない又は行使できないとき、会社が会社法第208条の11項の規定により臨時管理人が代表取締役及び取締役会の職務を代行して、会社の運営を維持する場合について含まれていませんでした。この臨時管理人の職務の役割からすれば、会社責任者と認められるべきです。これについて、経済部が2004119日付経商字第09300195140号通達にて、臨時管理人もその職務執行の範囲内にて、会社責任者であると認めるべきであると見解を示しました。

 

今回改正された会社法第8条第2項では、明文にて、臨時管理人も会社責任者として列挙され、その職務執行の範囲内で、会社責任者となると規定されました。

 

二、事実上の取締役の範囲が非公開発行株式の会社にまで拡大されました

 

201214日に改正・公布された会社法第8条第3項の規定では、公開発行株式会社の取締役ではないが、事実上取締役の業務を執行している者、又は事実上会社の人事、財務もしくは業務経営を支配し、事実上取締役の業務執行を指揮している者について、会社法上の取締役と同一の民事、刑事及び行政罰の責任を負うべきであると規定されていました。前記規定の目的は、会社登記された取締役ではないが、事実上取締役の業務を執行し、又は会社の経営・決定を事実上支配している者に、取締役の責任を同様に負わせることです。

 

改正前の会社法第8条第3項は、2012年の法改正当時は、事実上の取締役制度は公開発行株式会社に限定して適用されました。その立法理由としては、事実上の取締役の概念が台湾の法制度において新しいものであったため、実務での混乱が大きくなることを避けるため、適用範囲が限定されました。しかし、台湾において家族経営の会社は非常によく見られ、株主構成が相当に分散している公開発行株式会社でも、事実上の取締役が存在しており、またその他の非公開発行株式会社では、特定人が取締役に就任してはいないが、事実上会社の経営・決定を支配している状況が更に見られる可能性があります。これより、最高裁判所は、今回の会社法改正前に既に2014年台上字第736号判決にて、公平の原則により、事実上の取締役の概念を非公開発行株式会社にまで拡張して適用するとしました。上記の意見に基づき、2018年の会社法改正では、コーポレートガバナンスを強化し、株主の権利を保障するため、「公開発行株式の」という文言が削除され、条文の適用対象が、公開発行株式の会社から全ての種類の会社へと修正されました。

 

 

【参考】会社法第8条(201881日改正)

1項 本法にいう会社責任者とは、無限公司、両合公司では業務を執行し又は会社を代表する株主、有限公司、股份有限公司では取締役である。

2項 会社の経理人、清算人又は臨時管理人、股份有限公司の発起人、監査役、検査人、更生管財人又は更生監督人も、職務執行の範囲内で、会社責任者となる。

3項 会社の取締役ではないが、事実上取締役の業務を執行し又は事実上会社の人事、財務もしくは業務経営を支配し、事実上取締役の業務執行を指揮する者は、本法の取締役と同一の民事、刑事及び行政罰の責任を負う。ただし、政府が経済発展、社会安定の促進又はその他公共利益の増進等のために、政府が派遣した取締役が行った指揮については、適用しない。



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