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夜勤労働者に対する強制的な健康診断について
夜勤労働者に対する強制的な健康診断について
労働部は、職業安全衛生法第20条第1項第3号及び施行細則第27条第2項第3号に基づき、2018年1月5日に「長期夜勤労働者は、使用者が特定項目の健康診断を実施すべき特定対象に指定される」という行政命令を公表し、2019年1月1日から2020年12月31日まで施行します。この行政命令によって長期夜勤労働者に対する強制的な健康診断計画の試行が始まりました。以下のとおり、その概要をご紹介します。
一、 目的及び背景の紹介
労働健康保護規定により、現職労働者の年齢に応じて、5年、3年又は1年ごとに一般健康診断を実施する必要があります。なお、特殊な危険性のある、例えば、高温、騒音、放射線等の環境の下で業務に従事する労働者に対する特殊健康診断は、実施される必要性があるものとして、労働保険局から補助が出ています。しかし、長期夜勤労働は、新たな勤務形態であるため、まだ特殊健康診断が必要とされる範囲に含められていません。労働部は、長期夜勤労働者の健康を保護し、関連情報を収集するために、夜勤労働者を特定対象に指定しており、使用者に特定項目の健康診断を手配させ、この計画を実施した後の状況によって夜間労働者を特殊な危険業務に従事する労働者及び無料健康診断の対象に入れるか否かを決定します。
二、 長期夜勤労働者の定義及び範囲
長期夜勤労働者は、次のいずれかの状況を有する者です。
1. 勤務日数:午後10時から翌日の午前6時まで3時間以上の勤務が、勤務日数の半分以上を占める月が、年間で6ヶ月を超える者(必ずしも継続的とは限りません。)。
2. 労働時間:午後10時から翌日の午前6時までの労働時間の年間の累計が700時間以上の者。
前述の勤務日数及び労働時間は、使用者が認定するとされています。
2015年労働者生活及び雇用状況についての労働部の調査によると、台湾の長期夜勤労働者は、約40万人と推定されており、主に電気及びガス供給業、医療及び社会福祉サービス業、製造業及び支援サービス等に従事している者です。
三、 使用者の義務
使用者は、2018年の労働者の労働時間及び労働形態を見直し、長期夜勤労働者がいる場合、2019年の健康診断を手配しなければなりません。なお、2019年の長期夜勤労働者に対して、2020年の健康診断も実施する必要があります。また、使用者は、健康診断資料を保存し、健康診断の費用を負担し、労働者に健康診断日として公休を与える義務を負います。使用者が上述の義務を履行しない場合、職業安全衛生法第45条第1号により、使用者に3万元から15万元までの過料が科せられます。
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