検索
年度別検索: 年度別検索:
専門分野:
期間: ~
キーワード:

会社法の大改正について



会社法の大改正について

 

ここ十数年に渡り国内外の経済・商業環境は目まぐるしい変化を遂げています。これを受け、201876日に会社法の改正案が立法院で可決されました。今回改正された条文は条以上あり、2001年の会社法改正以来、最も大きい改正となりました。改正の要点は以下のとおりです。

 

改正のテーマ

重要な点

 

 

イノベーション・創業の環境の整備

1.         企業の社会的責任:会社は営利を目的とするほか、会社的責任も果さなければならない。

2.         2回又は年4回の剰余金配当:有限会社及びすべての株式有限会社(閉鎖会社を含む)は、半期ごとに又は四半期ごとに剰余金を1回配当することを定款で規定規定することができる。剰余金配当の方法が新株発行の場合は株主総会の決議を、現金である場合は取締役会の承認を得る必要がある。

3.         無額面株式:会社は額面株式又は無額面株式のいずれか一つを採用することができる。非公開発行会社は、株主総会の特別決議を経て、すべての額面株式を無額面株式に転換することができる。

4.         種類株式の種類の追加:無議決権株式のほか、非公開発行会社は以下の内容の種類株式を発行することができる。

(1)      複数議決権株式

(2)      特定事項に対する拒否権付株式

(3)      譲渡制限株式

(4)      取締役もしくは監査役として選任されることが制限される株式、又は一定の数の取締役を選任することができる株式

5.         議決権拘束契約及び議決権信託契約:非公開発行会社の株主は、協議によって共同で議決権を行使することを約定し、又は議決権を第三者に信託することができる。議決権信託契約は、会社に登録した場合に限り、会社に対して対抗することができる。

6.         非公開発行会社の社債の発行総額に対する制限が削除される

 

コーポレートガバナンスの強化

1.         「実質上の取締役」の適用範囲の拡大:「実質上の取締役」が会社法上の取締役と同様に民事・刑事責任を負う旨の規定の適用範囲を全類型の会社に拡大する。

2.         「法人格否認の法理」の適用範囲の拡大:「法人格否認の法理」が有限会社にも適用されるように改正される。

3.         取締役会の招集権者の範囲の拡大:過半数の取締役は代表取締役に対して取締役会を招集するよう請求することができる。代表取締役が15日以内に取締役会を招集しなかった場合、過半数の取締役が自らこれを招集することができる。

4.         取締役の利害関係の有無の判断の際の範囲拡大:取締役会の対象事項に関して、取締役の配偶者、二親等以内の血族、又は支配・従属関係を有する会社との間に利害関係がある場合、取締役と利害関係があるとみなされる。

5.         検査人の検査範囲の拡大:発行済株式総数の3%以上を継続して一年以上保有する株主の要請により裁判所が検査人を選任した場合について、検査できる会社書類の範囲に、業務の会計収支及び財産情況のほか、一定の事項、取引書類及び記録を追加する。

6.         会社代表者の法律違反に対する行政責任の厳罰化:証券取引法の関連規定に合わせて、公開発行会社の代表者が一定の条項に違反した場合の過料の上限額を、新台湾ドル24万元から240万元へ引上げる。

7.         会社更生手続の申請資格の拡大:株式又は社債を公開発行する会社について、一定の要件を満たした場合には、労働組合または3分の2以上の従業員も裁判所に更正手続を申請することができる。

 

企業経営の柔軟さの向上

1.         非公開発行会社の再投資に対する制限の削除

2.         有限会社の特定事項についての決議の要件の引下げ:有限会社の定款の変更、合併及び解散は、株主の議決権の3分の2以上での同意のみで行うことができる。

3.         取締役の人数に対する制限の緩和:株主が単一の法人である会社(完全子会社)は、取締役会及び監査役を設置せず、一名又は二名の取締役を選任する形とすることができる。株主が単一の法人でない非公開発行会社は、取締役会を設置せず、一名又は二名の取締役を選任する形とすることができる、監査役を設置する義務は負う。

4.         株券発行の規定:非公開発行会社は株券の発行の有無を自ら決めることができる。

5.         会社の発起人は会社設立登記後1年間株式を譲渡できないという制限が削除される

6.         取締役会を招集する場合の事前通知期間の短縮:取締役会の招集通知は現行の7日間前から3日間前に短縮される。

7.         従業員ボーナス・報酬制度の適用対象の拡大 (1)従業員への自己株式、(2)従業員へのストックオプション、(3)従業員への報酬、(4)従業員の新株優先引受権、及び(5)従業員に対する制限付き新株等を、一定の条件を満たす支配会社又は従属会社の従業員に対して発行、譲渡又は交付することができる旨、会社定款に規定することができる。また、非公開発行会社も従業員に対する制限付新株を発行することができる。

 

株主権利・利益の保障

1.         株主総会の招集通知に記載し、且つその概要を説明すべき事項の追加:証券取引法の関連する規定に合わせて、 (1)取締役及び監査役の選任又は解任、(2)定款の変更、(3)減資、(4)公開発行停止の申請、(5)取締役の競業避止義務の免除、(6)利益剰余金の資本組入れによる増資、(7)準備金の資本組入れによる増資、(8)会社の解散、(9)合併、分割又は(10)会社法1851項各号に列挙された事項について、株主総会の招集通知において列挙し概要を説明しなければならないものとした。

2.         株主提案権の保障の強化:法定形式要件を欠く場合を除き、取締役会はすべての株主の提案を株主総会の議題としなければならない。

3.         支配株主の株主総会招集権:発行済株式総数の過半数に当たる株式を保有する株主は、自ら臨時株主総会を招集することができる。

4.         株主の取締役、監査役の候補者の指名権の保障の強化:法定要件を欠く場合を除き、取締役会は株主が指名した者を取締役、監査役の候補者に含めなければならない。

5.         株主の情報取得権の強化:株主が請求した資料が株式事務代行会社に備え置かれている場合、会社は株式事務代行会社にこれを提出させる義務を負う。

6.         株主総会招集権者の情報取得権:取締役会又はその他の招集権者が株主総会を招集する場合、会社又は株式事務代行会社に株主名簿の提出を請求することができる。

7.         株主代表訴訟の持株要件の緩和:株主代表訴訟を提訴するための資格について、持株期間は1年以上から6ヶ月以上に、持株比率は3%以上から1%以上に、要件が引下げられる。

8.         検査人選任請求権の持株要件の緩和:裁判所に検査人の選任を申請する権利を有するための資格について、持株期間は1年以上から6ヶ月以上に、持株比率は3%以上から1%以上に、要件が引下げられる。

 

デジタル化及びペーパーレス化の推進

1.         株券のペーパーレス化:全ての株券発行会社は、株券を印刷せずに、証券集中保管事業を行う機構に登録してペーパーレス化での発行を行うことができる。

2.         株主提案の電子化:会社は電子的方式で定時株主総会における株主の提案を受け付けることができる。

3.         テレビ会議による株主総会:非公開発行会社は株主総会をテレビ会議で行う旨を定款に規定することができる。

 

グローバル化環境の構築

1.         外国会社に対する認許制度の撤廃:外国会社は台湾の経済部の認許を経なくても、我が国の会社と同一の権利能力を有する。外国会社は我が国において営業を行う場合、支店登記のみが要求されることになる。

2.         会社の外国語名称登記:会社は商業登記の主務官庁に対して中国語名称のほか、追加で会社の外国語名称による登記を申請することができる。

 

閉鎖的な会社の経営の柔軟性の向上

1.         取締役、監査役の選任に関する投票制度の緩和:閉鎖会社は、取締役、監査役の選任について、累積投票制度の採用が強制的ではなくなり、自ら選任方法を定款で規定することができる。

 

マネー・ロンダリング防止に係る国際規制の遵守

1.         取締役、監査役、経理人及び発行済株式総数又は資本額の10%を超える株式又は出資額を有する株主(以下、「届出対象者」という。)に関する情報の届出:一定要件を満たした会社を除き、会社は毎年定期的に、届出対象者に関する情報をデジタル方式で中央主務官庁が設置した情報プラットフォームに届出を行う義務を負う。届出又は届出の資料に不実記載があった場合において、中央主務官庁より期限内に是正するよう通知を受けたにもかかわらず、是正しなかったときは、会社を代表する取締役は新台湾ドル5万元以上50万元以下の過料に課されうる。なお、再度、期限内に改正するよう通知を受けたにもかかわらず是正しなかった場合は、回数に応じて、新台湾ドル50万元以上500万元以下の過料が課されうる。情状が重大な場合、会社登記を抹消することができる。

2.         無記名株式がマネー・ロンダリングの手段にならないように、無記名株式制度を廃止する。

 

今回の会社法の大幅な改正について、当事務所においては各種のセミナー・講演を開催する予定であり(日本語のセミナーも開催予定です)、また依頼者様の社内研修にもご協力させていただくことが可能です。何かご質問等ございましたら、いつでも当事務所のいつでも当事務所の朱百強弁護士(marrosju@leeandli.com)、林莉慈弁護士(litzulin@leeandli.com)までお問い合わせ頂ければ幸いです。までお問い合わせ頂ければ幸いです。なお、会社法改正に係るセミナー・講演等についての開催情報は、当事務所のホームページに掲載予定です。

 


TOP