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URL転送行為は商標権侵害又は不正競争に該当するのか

Katherine Juang


最近、知的財産裁判所はURL転送(リダイレクト)行為の法的評価に対して詳しい分析を行った。同裁判所106年度(西暦2017年)民商訴字第3号民事判決(2017929日)において、インターネット上のウェブサイトに原告のWebサイト(以下「Aサイト」という)へのハイパーリンクが表示され、それをクリックしたにもかかわらず、被告の英語学習サイト(以下「Bサイト」という)へ転送されURL転送行為及びそれに関する転送行為が故意に行われたなどの事実を確認した上で、当該行為が商標権を侵害しているのか、不正競争行為に該当するのかについてそれぞれ分析を行った。

 

一、商標権侵害に該当しない

 

商標権侵害の部分について、裁判所は以下のような見解を示した。「商標法」第68条に列挙されている権利侵害行為の態様はいずれも商品又は役務において商標を「使用」したことを要件とする。また、「商標法」第5条では、商標の使用とは、販売を目的として、関連する消費者にそれが商標であると認識させることができる行為をいうと規定されている。本件において、インターネット上のハイパーリンクは、ユーザーがそれをクリックすると、Webブラウザが起動して指定したリンク先のWebページに移動できるという仕組みを意味しており、すなわち、役務をインターネット上のアドレス(URL)に提供されると示したものであり、商標の指定商品や指定役務と直接リンクするものではないため、商標使用の定義に合致していない。本件における原告が主張した「商標法」第70条第12号については、第1号では、やはり「商標を使用」しなければならず、一方、第2号では、商標を自らの会社、商号、団体、ドメインネーム又はその他営業主体を表す名称としなければならないと規定されているが、本件におけるハイパーリンクは、役務をインターネット上のアドレスに示したためだけに用いられるものであり、当該表徴行為はなかった。したがって、裁判所は、前述第68条又は第70条第12号のいずれかにより、URL転送行為が商標権侵害には該当しないとの判断を示した。

 

そのほか、原告は、商標権者の利益を適切に保護するため、米国法における「購買前の混同( Initial Interest confusion」という法理を参照して、かかる法理の適用はわが国においても認められるべきであると主張した。裁判所は、わが国においてその原告の権利を保障できる適切な法的メカニズムがあれば、他国の理論を認めて法律の文言に合致していない規定を強引に適用する必要はないという見解を示した。

 

二、不正競争に該当する

 

「公平交易法」(日本の「不正競争防止法」及び「独占禁止法」に相当)については、裁判所が同法第25条「本法に別途規定がある場合を除き、事業者は、その他取引秩序に影響するに足りる欺瞞又は著しく公正さを欠く行為をしてはならない」という規定に基づいて分析・評価を行った上で、以下のとおり、判断を示した。

 

係争URL転送行為はウェブサイトにAサイトの名称を表示しているハイパーリンクをクリックすることで、AサイトへのアクセスをBサイトへ転送することであり、当該行為の結果として元々Aサイトの名称を見て、関連情報を閲覧したいユーザーを、Bサイトへ強引に誘導することになり、「欺瞞」的な性質を有している。また、現在盛んに行われている電子商取引市場の競争秩序において、ウェブサイトへのアクセス数は、ネットワーク経済における重要なビジネスチャンスとなっていることを考慮したので、それは「欺瞞」的な性質を持つハイパーリンクであり、すでに取引秩序に影響するに足りると認められる。

 

一方、裁判所は、商品を販売する際に消費者と接することが重要であり、これは消費者が消費意欲を生む前提条件となると考えている。そのため、消費者が商品又は役務(又はその情報)と接する方法は市場競争秩序における重要な事項であり、「公平交易法」によって規制されるべき事項でもある。したがって、情報の所在を指示する過程の中で欺瞞行為が発生した場合、現実世界がインターネット上を問わず、同様に扱わなければならない。この行為は、消費者の利益を害するのみならず、市場経済秩序の正常な発展を妨げることもあるため、本件における故意によるURL転送行為は、「公平交易法」第25条に違反し、不正競争に該当すると認められる。そのほか、係争URL転送行為が「公平交易法」第25条に違反したため、「民法」第184条第2項に定められる他人を保護する法律に違反し、かつ、これにより他人に損害を与えた権利侵害行為にも属したことも判示した。

 

しかし、本件において、裁判所は、転送行為には正当な使用方法方があるので、単純な転送行為が違法ではない。ただし、本件のような不正競争の事情があれば、それを防止しなければならない。

 


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