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最高行政裁判所は「逆混同」理論に基づいて後願商標の登録を認める論点を支持しない



 商標法で規定されている商標登録出願の登録査定又は保護は、原則的に先願主義を採用するとともに、先使用の事実も併せて考慮している。しかしながら、後から登録出願又は使用される商標が、広告プロモーション等により、先願又は先使用の商標に比べて、かえって台湾における関連事業者又は消費者に広く認知されている場合、「混同誤認の虞」に関する審査基準の8つの要素を総合的に判断し、「逆混同(Reverse Confusion)」理論を参照して、台湾の商標法における先願主義に関わる規定の適用を排除し、後願商標の登録を認めることができるか否かは、実務上重要な議題となっている。

 

 最高行政裁判所の105年(西暦2016年)度判字第465号判決には、商標法において、商標登録出願は先願主義を採用することが明文で規定されており、「逆混同理論の適用を排除する、という見解が明確に示されている。

 

 最高行政裁判所は次のように指摘した。商標法第2条の規定を参照たところ、商標は法により出願して登録した後、初めて商標権による保護を主張することができる。言い換えれば、台湾の商標法は「先願主義」を採っており、たとえ先願の登録商標は、高度な著名性を有さず、又は関連する消費者に普遍的に知悉されていなくとも、先願商標権者は依然として法により権利を主張することができる。原審である台湾知的財産裁判所は、103年(西暦2014年)度行商訴字第137号行政判決にて、係争商標は後願であるが、係争商標は広告プロモーション等により、拒絶査定の根拠となる商標より台湾の関連する消費者に広く認知されていることから、係争商標はさらに保護を受けるべきである云々としたことは、明らかに台湾の商標法における先願主義の規定に違反法令の適用は不当である

 

 また、最高行政裁判所は次のような見解を示した。原審である台湾知的財産裁判所103年(西暦2014年)度行商訴字第137号行政判決の前述した論述は、学説において「逆混同」理論と称されるものである。すなわち後願商標が先願商標より広く消費者に知悉されており、消費者はかえって先願商標が後願商標を模倣したものである、又は先願商標と後願商標とは同一の出所に由来するもの、又は両商標の使用者の間に関連企業、使用許諾、加盟又はその他の類似する関係が存在すると誤認することである。しかしながら、まさに先・後願の商標が消費者に両者が同一の出所に由来するもの、又は両商標の使用者の間に関連企業、使用許諾、加盟又はその他の類似する関係があると誤認させやすいことから、後願商標の登録は確に消費者に誤認・混同を生じさせる虞があることが判明し、商標法の「先願主義」に基づくと、後願商標ではなく先に登録された先願商標を保護すべきであり、これはその他の比較法でも同じである。この制度のもう一つの目的としては、公平な市場競争の確保にあり、巨大な財力を持つ企業が巨大なマーケティング力で、先願の登録商標を奪い取ることを避けることにある。原判決は拒絶の根拠となる商標の登録又はその使用が商標法に違反するか否かについて説明しておらず、また拒絶の根拠となる商標が係争商標の登録出願時においてすでに有効に存在している商標であるため、原審判決は、直接、係争商標がすでに消費者に知悉されているという理由、誤認・混同を構成するには至らない云々としたことは、明らかに現行法の規定に合致せず法令の適用は不当である

 


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