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内政部による「建物賃貸借定型契約の記載すべき事項及び記載してはならない事項」の公告について


Yi-Jiun Su/Kate Lee

公正かつ合理的な建物賃貸契約を促し、建物賃貸借の実務においてよく見られる紛争に対処するため、台湾内政部は2016623日に消費者保護法第17条に基づき、「建物賃貸定型化契約に記載すべき事項及び記載してはならない事項」を公告しました(以下「本規制」という。)。来年(2017年)11日から実施される予定です。

(訳注:「定型化契約」は、事業者が多数の消費者と契約する際の、事前に定めた契約条項を用いた契約を指します。「普通取引約款」に相当。)

本規制のポイントは、以下のとおりです。

一、              記載すべき事項

1.     契約書の検討期間(少なくとも3日間)。

2.     担保金(敷金)の金額(なお、家賃2ヶ月分に相当する金額を超えてはならない。)

3.     賃貸借期間の電気、水道に関する費用、及び賃貸借契約に関して生じた税金の負担方法。

4.     契約期間満了前の解約が可能であるか否か、及び事前の相手方への通知の期間(なお、契約期間満了前の解約に関する違約賠償金は家賃1ヶ月分に相当する金額を超えてはならない)。解約する際の前払家賃の返還。

5.     物件返還時の明渡しの手続、及び明渡しをしなかったときの違約金の算定方法。

6.     契約期間満了前に当事者双方が解約することができる事由。

 

二、              記載してはならない事項

1.     検討期間を放棄すること

2.     広告は参考にすぎない旨規定すること。

3.     借主が賃貸借費用の支払を税務申告することを禁止すること

4.     借主が当該住所に戸籍を移してはならないとすること

5.     貸主が負担すべき税金の金額が、賃貸前より増加した場合、その増加分を借主に負担させること

6.     貸主が借主に対し物件に瑕疵があることを故意に教えなかった場合まで、民法における瑕疵担保責任を除外すること

7.     借主に賃貸借契約書を返却する義務を負わせること

 

 消費者保護法第17条により、建物賃貸借契約の条項が本規制に違反する場合、当該契約条項は無効になります。また、行政院が公告した記載すべき事項は、建物賃貸定型化契約に記載されなかったとしても、契約の内容を構成することになります。なお、貸主が本規制に違反した場合、3万以上30万以下の過料に処される可能性がありあす(消費者保護法第56条の1)。期間を定めて改善措置を命じたものの、その期間内に改善されなかった場合、回数に応じて過料を科すことができます。

  本公告は消費者保護法に基づものであり、内政部によれば、賃貸住宅契約書の借主は最終的な消費者でなければ本規制は適用されず、よって賃貸借の対象である建物の用途が商業用であれば本規制は適用されません。また貸主については、「偶発的ではなく、反復して賃貸行為を行っていて、賃貸借を業とする場合」、貸主は消費者保護法の企業経営者となり、本規制が適用されます。しかし、台湾では、建物賃貸借では実際には「個人貸主」が多く、「賃貸借を業とする」との認定の基準については、今後、行政院の消費者保護委員会及び関連行政機関によるさらなる検討や解釈を待つ必要があります。

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