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特殊な模様の商標権侵害についての検討

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 台湾知財裁判所は2016429日、特殊な模様を商標として使用した権利侵害案件について、104年(西暦2015年)度民商訴字第23号判決を下した。当該判決において、このようなタイプの商標が使用者自身のブランドど同時に使用した状況を、当該図案が商標として使用されたものか否かの判断基準とすることと示した。この判決の結論は、皮革製品にプレスされた独特の横線模様は識別性を有する商標に属するとし、たとえ権利侵害被疑品、そのタグ又はファスナーにその他の図形又は文字があるとしても、皮革バッグ全体を覆う模様の図案と比較すると、裁判所は明らかではないと考えたため、被告は確かに当該横線模様の図案を商標として使用したと認定し、本件の被告が関わる商標法違反の刑事事件における検察官の認定とは異なるものとなった。

 

原告は係争商標のオリジナリティは強烈な色に染められた皮革上にプレスされた独特の横縞模様にあり、台湾では「水の波紋」と呼ばれており、「水の波紋」状の外観を有する商品は原告の売れ筋シリーズで、30年の歴史を有しており、これらの図について商標登録を取得していると主張した。被告は係争商標を原告が所有していることを明らかに知りながらも係争商標を侵害する模倣バッグを販売して利益を得たとして、原告は商標法及び公平交易法(日本の「不正競争防止法」、「独占禁止法」に相当)に違反すると主張した。

 

台湾知財裁判所の判決では、皮革にプレスされた独特の横縞模様は、皮革の天然の模様には属さず、且つ台湾智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)が識別性有りと認定して登録査定としたことから、他人は商標権者の同意又は許諾を得ずに、無断で使用してはならないことは言うまでもない、との見解である。権利侵害被疑品の正面中央、及びタグ、ファスナー上に「iki2」の表示、蝶々の図の商標が表示されているが、裁判所は皮革バッグ全体を覆う横縞のプレス模様の図案と比較すると、「iki2」、蝶々の図の表示は明らかに小さく且つ明確でないため、皮革バッグ全体を覆う横縞のプレス模様の図案(水の波紋)が見る者の注意を引く主要な識別部分であると認めた。さらには、原告の係争商標図は台湾では常々「水の波紋」とこれを呼んでおり、被告の販売サイトでも「水の波紋」という文字を販促広告のための用語として使用していることから、被告も水の波紋の図を消費者が購買する際に主に訴求するものと考えていたことが明らかにわかる。これにより、裁判所は被告は確実に模倣の意図を持ち、係争図を商標として使用したと認定した。

 

本件の被告が関わる商標法違反の刑事事件で、刑事捜査を経て、被告は不起訴処分となった。これは検察官が被告の販売した係争商品で使用した商標は「iki2」であると認定し、「水の波紋」については単なる商品の外観デザインにすぎないとして、被告は「水の波紋」を商標として使用する故意がないと認定したためである。本争議案件の刑事事件の検察官は台湾知財裁判所の民事法廷とは、「商標の使用」の認定について見方が異なることが明らかである。台湾知財裁判所は、刑事事件における検察官の捜査結果は、民事裁判所を拘束するものではないと考え、検察官と同じ見方を採用しなかった。

 

上述したことをまとめると、裁判所は被告が原告の商標権を侵害し、且つ改正前の公平交易法第20条第1項第1号の規定に違反したと認定し、損害賠償責任を負うべきであるとした。

 



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