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民事訴訟手続において特許権者が特許請求の範囲の訂正を請求した場合、訴えの変更になるのか



民事訴訟法の規定によると、原告は訴状送達後、相手方が同意した、又はその変更又は追加の訴えが法律で定められた特定の状況を満たす場合、例えば主張の基礎となる事実が同一である、又は裁判を受けるべき事項の請求を拡張又は減縮するのみであるなどの場合を除き、原則的にその訴えを任意に変更又は追加してはならない。

 

「知的財産事件審理法」(「智慧財産案件審理法」)が2008年に施行されてから、被疑侵害者は民事権利侵害訴訟において、特許の有効性の抗弁を提出することができ、裁判所は自ら判断する必要がある。特許権者はそれに対応するため、訴訟手続中に別途、智慧財産局(※台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)へその特許請求の範囲の訂正を請求し、また裁判所は訂正後の請求項を裁判の根拠とすべきであると主張することが常である。実務上、知的財産裁判所は、訴訟手続中における特許権者による訂正請求を認め、かつその訂正が許可されるべきとの審査後、訂正後の請求項に基づき特許の有効性及び権利侵害の争点の判断を進めることがほとんどである。特許権者が提訴後に初めてその特許請求の範囲を訂正することによって権利内容が変動された場合、これは訴えの変更に属するのか否か、実務上で検討されることは少なく、知的財産裁判所の見解を観察しても、これらの状況は単なる特許権者の攻撃防御方法にすぎす、訴えの変更には当たらないとすることで、訂正によるその特許権の有効性を防御する特許権者の機会を保障するということがほとんどである。

 

しかし、知的財産裁判所が20138月に下した101年(西暦2012年)度民専上字第28号判決においては、特許権者が控訴提起後に特許請求の範囲の訂正を請求することは、訴えの変更に属するべきだが、相手方がなおも原裁判所で提出した同一証拠をもって有効性を抗弁する場合、その訂正後の主な争点にはやはり共通性があることから、その請求の基礎となる事実は同一であると認めるべきで、相手方の同意を得る必要はない、との考えを示している。最高裁判所はその後すぐに、201592日付けで下した上告審判決(104年度(西暦2015年)台上字第1651号判決)で、知的財産裁判所の上述した判決を破棄したが、その理由について原裁判所が訴えの変更に属し、またその変更が合法であると認定した場合、特許権者の第一審における元の訴えについての訴訟係属は訴えの変更により消滅し、控訴審手続で変更された新たな訴えのみ審理することができるからといって、第一審の元の訴えを更に裁判してはならない、と指摘するのみであった。最高裁判所は特許請求の範囲の訂正について、性質上、訴えの変更に属するか否かについては、具体的に意見を示していないのである。

 

前述したとおり、知的財産裁判所は実務上、いずれも特許請求の範囲の訂正に関する問題を直接審理することになり、訂正が許可されるべきと認めれば、訂正後の特許請求の範囲に基づき有効性及び権利侵害の争点について判断を進めている。知的財産裁判所の上述した判決の後に下された裁判の判決を分析したところ、上述したやり方は変わっていないようであるが、今後の発展についてはやはり観察が待たれるところである。

 

 

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