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トレードドレス又は表徵の保護問題



トレードドレス(中国語で「商業外観」という)又は表徵は、現在、台湾の法制下で主に意匠登録、商標、著作権などによって保護されている。つまり、当該外観又は表徵が新規性、創作性及び産業上の利用性などの要件を満たす場合、「専利法」(※日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当)の規定により意匠登録を出願し、民事上の保護を受けることができる。また、当該外観又は表徵を、識別性を備える商標とすることができる場合、商標法の規定により商標登録を行って、民事及び刑事上の保護を受けることができる。また、当該外観又は表徵が創作性を有する著作物である場合、著作権法で保護される対象として、関連する民事及び刑事上の保護を受けることができる。しかし、当該外観又は表徵が上記の要件を満たさない場合、台湾の法制下では、現在、「公平交易法」(※日本の「不正競争防止法」及び「独占禁止法」に相当)によって補充的な保護を行っている。

 

201524日に新たに公告された公平交易法(※日本の「不正競争防止法」及び「独占禁止法」に相当)第22条の規定によれば、「同一又は類似の役務又は商品」において、「商標登録していない」「著名な」表徵を使用することによって混同を生じさせた場合、権利者は法により民事賠償を提起することができる。旧法第20条の規定に比べて、新たに改正された公平交易法の第22条は、その適用において明らかにより厳しくなっており、たとえば(1)旧法第20条で保護する客体は「関連事業者又は消費者に一般的に認識されている」表徵であり、商標登録されていない著名な表徵に限定されていない、(2)権利侵害の態様において、旧法には「同一又は類似の使用をすることによって混同を生じさせた場合」としか規定されておらず、同一の又は類似する役務又は商品に限定していない、(3)法律の効果において、旧法第20条の規定に違反した場合、民事責任以外にも、公平交易委員会は行政罰に処すことができたが、新法では行政罰が削除されている、点などが挙げられる。

 

当該外観又は表徵が「著名な」表徵ではなく、まだ商標登録されていないトレードドレス(trade dress)、又は新商品の外観で商標登録若しくは意匠登録による保護が間に合わず、ライバルによってデッドコピー(dead copy)された場合、台湾ではこれまでずっと、フリーライド(free ride)又はデッドコピーによる公平交易法第25条(注:即ち旧法第24条)違反などを以って処理しており、また、公平交易法第25条規定に違反する場合、民事責任を負う以外に、「公平交易委員会」(※日本の公正取引委員会に相当)が行政罰に処すこともできた。商標登録されていない著名な表徵の保護については既に行政罰の規定がないため、公平交易委員会は、「フリーライド又はデッドコピーについて、逆に、行政罰に処すことができるのであれば、軽重のバランスを欠くおそれがあるかもしれない」と考え、処理原則からフリーライド及びデッドコピーという2つのタイプを削除する提案を行った。しかし、我が国の法制は、トレードドレス(trade dress)及びデッドコピーの保護に対して、これまでずっと明確な規範を欠いており、公平交易法第25条による補充的な作用に全面的に頼ってきた。、処理原則からフリーライド及びデッドコピーという2つのタイプを削除するのであれば、今後、どのようにトレードドレスを保護するのか? どのようにデッドコピーを阻止するのか? 処理原則からフリーライド及びデッドコピーという2つのタイプを削除するのであれば、当該タイプの行為には、公平交易法の民事上の保護に関する規定が適用されないということなのか? 知的財産裁判所はこれに対して既に管轄権がないため、通常裁判所での審理に戻すということなのか? 関連する民法の規定を適用することができるのか?

 

これらの重大な紛争に直面し、経済部智慧財産局(※日本の特許庁に相当)は201584日に検討会議を開催して、公平交易委員会、学術界及び実務界の専門家を招いて討議している。当該検討会議に参加した専門家や研究者はいずれも、「フリーライド及びデッドコピーといった行為タイプは、たとえ行政介入を行わなくても、依然として、公平交易法第25条の規定により規範しなければならない」とする一致した見解を示している。これらの国家全体の知的財産権及び不正競争法制の健全な発展に関する議題に対し、公平交易委員会が今後どのように処理原則を修正していくのか、注視していく必要がある。


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