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民事訴訟法の督促手続きの一部条文改正

Wen-Ping Lai/Connie Chen


民事訴訟法の督促手続編における支払命令に関する規定は、もともと債権者が債権を迅速に実現する便宜を図るものであった。しかし、その後、この制度が形式審査であり且つ確定判決と同一の効力を備えるという特徴を利用して、偽債権を捏造して裁判所に支払命令を出すよう申立てる者も出てきた。こうした情況を回避するため、民事訴訟法中の支払命令に関する規定が改正され、201571日に公布された。以下では、その概要を紹介する。

一、             債権者の釈明義務を新たに規定

債権者が裁判所に支払命令を出すよう申し立てる際、債権関連資料について釈明しなければならないとされた。たとえば、裁判所が支払命令を出すのに資するよう、当該債権の証拠を添付する(新改正民事訴訟法第511条)。

二、             支払命令の効力を改正し、執行力のみをもたせる

改正前は、債務者が支払命令を受領した後20日以内に異議を申し立てなかった場合、当該支払命令は確定判決と同一の効力を有する、即ち、同時に既判力及び執行力を具えるとされていた。その後、債務者が当該債権の真偽を争おうとする場合、再審手続によってのみ救済を求めることができるが、再審提起要件は厳格で、債務者にとって甚だ不利であった。そこで、新法施行後、支払い命令は執行力のみを有することとされた。債務者が支払命令を受領した後20日以内に異議を申し立てなかった場合、当該私権紛争につき訴訟手続きに従って解決することができる。一方、債権者については、債務者が前述の期間内に異議を申立てなかった場合、債権者は裁判所が出した裁定確定証明書をもって、強制執行を申し立てることができる(新改正民事訴訟法第514条、第521条)。

三、             債務者は相当かつ確実な担保を提供して強制執行の停止を申し立てることができる旨の規定を追加。

債務者が、支払命令を受領した後20日以内に異議を申立てた場合、当該支払命令は異議申立ての範囲内でその効力を失い、そして、債権者の支払命令の申立ては訴えの提起又は調停の申立てとみなされる(民事訴訟法第519条)

一方、債務者が上記の期間に異議を提出しなかったが、債務者が支払命令に記載されている債権の不存在を主張する確認訴訟を提起した場合については、新たに規定された民事訴訟法第521条第3項の規定により、裁判所は、債務者の申立てにより、債務者に相当且つ確実な担保を提供させて、強制執行を停止することができるとされている(新改正民事訴訟法第521条)。

四、             支払命令が公布・施行前に確定した場合、公布・施行後2年以内に再審を提起しなければならない。

支払命令が新法の公布・施行後に確定した場合、新法の規定が当然適用される。これに対して、支払命令が新法の公布・施行前に確定した場合において、債務者が当該債権について争うときは、公布・施行後2年以内に再審を提起しなければならず、この場合、支払命令に係る申立てが訴えの提起とみなされる。行為能力のない者又は行為能力を制限されている者については、公布施行時から行為能力のない者又は行為能力を制限されている者が成年になった後2年以内に、再審を提起することができる旨規定された(民事訴訟法施行法第4条の4)。

 

 


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