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「停権処分」及び入札保証金追徴に係る処分権の時効


Eleanor Chuang

政府調達における調達機関(政府)が、事業者が「政府採購法」(「政府調達法」、Government Procurement Act)第101条第1項各号のいずれかに該当し、同法第102条第3項の規定により「政府採購公報」(「政府調達公報」)に掲載されるべき不良事業者であると認定することは、俗に「停権処分」(※政府契約への参加を入札から禁止する処分)と呼ばれている。ただ、「政府採購法」には調達機関の処分権の時効(行使期限)について明文規定が置かれていないため、実務上しばしば紛争が生じている。最高行政裁判所は20126月の第1回裁判長裁判官連席会議で「『停権処分』の処分権の時効は、行政罰法第27条第1項の行政罰の処分権の3年時効を適用する、又は類推適用する」と決議した。これ以降、政府調達に係る不服申立及び行政訴訟実務はいずれもこの決議の内容に沿って処理されている。

行政罰法第27条第1項及び第2項では、時効の起算点について、「行政罰を課す処分をする権利は、3年が経過すれば消滅する。前項の期間は、行政法上の義務に違反する行為が終了した時点から起算する。但し、行為の結果が後日生じる場合、当該結果が生じた時点から起算する」と規定されている。しかし、「政府採購法」第101条各号に規定する情況は異なるため、行政院公共工程委員会(※台湾の行政院に属する公共事業行政を所管する機関)は、「政府採購法」第101条各号の処分権の時効の起算点について、以下のような会議結論を作成し、参考に供している。

一、       「他人に対して、本人の名義又は証明書を借りて入札に参加することを許諾した場合」

調達機関が開札前に開札を中止すべき事情を発見した場合を除き、開札時から起算し、開札手続きがなされない場合、書類が調達機関に到達した時点から起算する。

二、       「他人の名義若しくは証明書を借用し、又は偽造、変造した書類をもって入札に参加、契約締結、又は契約履行した場合」

入札参加の場合、前述の「一、」と同様である。契約締結の場合には開札時点から起算し、開札手続きがない場合には書類が調達機関に到達した時点から起算する。但し、事業者が調達機関に書類を送付、提出して契約締結が完了する場合、又は事業者が契約締結時にはじめて書類を提出する場合、書類が調達機関に到達した時点から起算する。契約履行の場合、最終的に契約履行書類が調達機関又はそれが指定する人員若しくは場所に到達した時点から起算する。

三、       「無断で人工や材料を減らした場合で、その事情が重大であるとき」

良くない結果がまだ生じていなければ、行為終了時から起算し、良くない結果が既に生じている場合、結果発生時から起算する。

四、       「入札、契約又は契約履行関連書類を偽造、変造した場合」

前述の「二、」と同じ。

五、       「営業停止処分を受けている期間に、入札に参加した場合」

開札時から起算する。但し、開札手続きがない場合は、書類が調達機関に到達した時点から起算する。

六、       「第87条から第92条までの罪を犯し、第一審で有罪判決を受けた場合」

第一審判決の宣告時から起算し、宣告がなければ、判決書が事業者に送達された時点から起算する。

七、       「落札後に正当な理由なく契約締結しない場合」

入札募集書類における契約締結期限又は調達機関が最終的に定めた契約締結期限の満了時から起算する。

八、       「検査又は検収が不合格となった場合で、その事情が重大であるとき」

当該回の検査又は検収手続きの終了時から起算する。

九、       「検収後、保証責任を履行しない場合」

契約又は調達機関の最終的な催告で定められた期限の満了時から起算する。

十、       「事業者の責任に帰することのできる事由により、契約履行期限を遅延し、その事情が重大である場合」

まだ契約履行が完了していない場合、契約で又は調達機関が最終的に定めた改善期限の満了時から起算し、既に契約履行が完了している場合、事業者が給付の準備を完了し、且つ最終的な通知が検収を行う機関に到達した時点から起算する。

十一、「第65条の規定に違反して下請けに出した場合」

その下請けを受けた事業者が代替して行った履行の最終の行為の時点から起算する。

十二、「事業者の責任に帰することのできる事由により、契約の解除又終了に至った場合」

契約の解除又は終了に係る通知が事業者に到達した時点から起算する。

十三、「破産手続き中の事業者」

裁判所の破産裁定が宣告又は送達され発効した時点から起算する。

十四、「女性、先住民又は社会的弱者を差別し、その事情が重大である場合」

差別行為が終了した又は結果が発生した時点から起算する。

なお、「政府採購法」第101条各号に該当する状況が生じた場合、同時に同法第31条に規定する(すでに返還された)入札保証金の追徴の対象となる可能性がある。入札保証金の追徴には「行政程序法」(「行政手続法」)第131条に規定される公法上の請求権に係る5年の時効が適用される。その時効の起算点につき、最高行政裁判所は201311月の第1回裁判長裁判官連席会議で、「機関が追徴できると合理的に期待できる時点から、その時効期間を起算しなければならない。機関が追徴できると合理的に期待できる時点については、事実問題であり、個別案件ごとに具体的に審査、認定しなければならない」と決議している。これに従うと、「停権処分」と入札保証金追徴の時効期間及び時効起算点は、いずれも異なることになる。したがって、実務上、機関の「停権処分」にかかる処分権が既に時効となっていても、機関は依然として入札保証金を追徴することができるといった情況が生じ得るため、注意する必要がある。

 

 

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