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会社法第235条及び第235条の1の改正

Lawrence Yu/Christina Hsuan Chiang


2015520日、改正「会社法」(「公司法」)が総統より公布された。今回の改正では、第235条第23及び4項が削除され、第235-1条の従業員報酬分配に関する規定が新たに追加された。

今回の会社法改正以前は、実務上、会社定款には、改正前の第235条第2項により、一定の比率で従業員に特別配当を行うことが明記されており、第232条及び第237条の規定により、会社に剰余利益があれば、まず納税、累積赤字の補填、10%の法定準備金の拠出を行ってから、特別配当金を分配することができた。今回の改正では第235条第2項が削除されるとともに、第235条の1の第1項が新たに追加され、会社は定款に、当該年度の利益の獲得状況によって、定額又は比率に基づき従業員に報酬を分配することを明記しなければならない、と明確に規定された。改正理由によると、特別配当の分配対象は株主に限定され、従業員は剰余利益分配の対象ではないため、従業員に分配すべきものは「特別配当」ではなく「報酬」であり、その本質は剰余利益の分配から費用控除への変更である。

1.         計算基準

改正理由によれば、「利益の獲得状況」とは、「税引き前利益」を基準とし、そのうえで、定款に定めた定額又は比率により従業員報酬を計算することをいう。経済部の2015611日付通達(以下「経済部通達」)によれば、今回の改正後、会社に累積赤字があれば、従業員報酬を計算する前に、当年度の税引き前利益から、まず累積赤字補填額を留保した後、定款の規定により従業員報酬を計算しなければならない。税引き前利益から従業員報酬を差し引いた後、まず税金を納付し、次に累積赤字を補填してから、10%を法定準備金として拠出した後、配当金を分配することができる。そして、なお余剰があれば、株主総会決議を経て株主特別配当を分配することができる。

2.         取締役及び監査人の報酬

196条第1項及び第227条により、会社定款には取締役及び監査人の報酬を明記することができる。これまで、取締役及び監査人の報酬の分配基準は従業員特別配当と同じであり、会社に剰余利益があれば、まず納税、累積赤字の補填、10%の法定準備金の拠出を行ってから、取締役及び監査人の報酬を分配することができた。経済部通達によると、今回の改正後、会社定款に取締役及び監査人の報酬が規定されている場合、その計算基準は従業員報酬と同じで、当年度税引き前利益を基に、累積赤字があれば、まず累積赤字補填額を留保してから、定款に定める定額又は比率により、従業員及び取締役・監査人に分配すべき報酬を計算しなければならない。

3.         「比率」の制定方法

経済部通達により、定款における従業員報酬に関する比率の制定方法は、定数(例えば2%)、一定範囲(例えば2%10%)又は下限値(例えば2%以上)の3種類の方式のいずれかを選択することができる。

4.         報酬の支給形式

235条の1の第3項により、従業員報酬は株式又は現金で支給することができ、3分の2以上の取締役が出席する取締役会において出席した取締役の過半数の同意によって決議し、株主総会に報告しなければならない。また、経済部通達により、従業員報酬は1年に1回分配するが、実際に従業員に支給する際には、一度に全額支給してもよいし、数回に分けて支給してもよい。これは会社が自ら決定する。

5.         移行期間の処理方法

(1)      今回の会社法改正後、2015年定時株主総会は2014年度の従業員特別配当の分配を承認しているため、当然、改正前の定款(以下「旧定款」)の規定により従業員特別配当の分配を行わなければならない。

(2)      会社が2015年度株主総会において新法により定款を修正した場合、2015年度従業員報酬は、当然、改正後の定款(以下「新定款」)の規定により取り扱わなければならない。会社が2015年度定時株主総会までに定款を修正せず、2016年度定時株主総会に提出すべく定款修正の議案を進めている場合は、今回の法改正は状況が特殊であるため、2015年度従業員報酬は、新たな定款の規定により取り扱わなければならない。したがって、2016年に会社が定時株主総会を招集するに当たっては、まず定款修正について議論してから、直ちに新たな定款の規定に基づいて、2015年度従業員報酬分配の報告報告に進まなければならない。

(3)      経済部通達により、今回の改正の発効後、旧法により定めた会社の旧定款中の従業員特別配当に関する記載は既に依拠を失っているため、会社が上記(2)により定款を修正していない場合、当然、旧定款により従業員特別配当を取り扱うことは認められない。また、会社が新法により定款を修正し従業員報酬の分配を定めなかった場合、従業員は報酬の分配を受けることができないが、かかる事態は会社の法律規定に反する不作為により引き起こされたものであるため、従業員は司法手段により、会社に対して損害賠償を請求することができる。

6.         税務上の影響

会社法の今回の改正後、旧定款に定められた従業員特別配当と取締役・監査人の報酬の定額/比率が、新たな定款の従業員報酬と取締役・監査人の報酬の定額/比率と同じであれば、法改正後の従業員と取締役・監査人の報酬分配は税引き前の利益につき計算し、差し引いた後に、税金を納付したものであるため、当然、会社の課税利益額は減少することになる。


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