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改正専利法及び改訂審査基準における無効理由と証拠の提出期限及び訂正請求の時点の制限について


簡秀如/Chi-Yu Wang

2019111日に施行された改正専利法(日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当)はに伴い、関連する専利審査基準(日本の審判便覧を含む。)も改訂された。上記改正・改訂では、専利無効審判請求事件の当事者双方による理由及び証拠の補充期限に制限が設けられているだけでなく、専利権者による訂正請求の時点についても従来の規定と異なる。

 

改正前の専利法第73条第4項の規定によると、無効審判請求人は、理由又は証拠を補充する場合、無効審判請求後1ヶ月以内にこれを行わなければならないが、無効審判審決前に補充した場合には、依然として、これを斟酌すべきとされていた。当該規定の趣旨は本来、無効審判請求人に十分に意見陳述をさせることにあるからであった。しかし、実務上、無効審判請求人がこれにより再三に新たな理由又は証拠を補充することがよくあり、専利権者も再三に答弁するため、無効審判請求事件の審理スケジュールが大幅に遅延することとなった。

 

審理効率の改善のため、2019111日に施行された改正専利法第73条第4項の規定では、無効審判請求人は理由又は証拠を補充する場合、無効審判請求後3ヶ月以内にこれを行わなければならず、期限を過ぎて提出した場合は斟酌しないとされている。また、同法第74条第4項には、「特許庁が無効審判請求人に意見を陳述し、特許権者に補充答弁又は応答するよう通知する必要があると認めたとき、無効審判請求人又は特許権者は通知送達後1ヶ月以内にこれを行わなければならない。期限延長が許可された場合を除き、期限を過ぎて提出した場合は斟酌しない。」と規定されている。これについて、専利審査基準第五篇第1章第3.1.2節には次のように明記されている。無効審判請求3ヶ月後に、請求人は、特許庁から専利権者が提出した「訂正クレーム」に対して意見を陳述すべき旨の通知を受け取り、又は特許庁から証拠調査又は釈明権の行使のために意見を陳述すべき旨の通知を受け取った場合のみ、通知送達後1ヶ月以内に理由、証拠を補充し又は意見を陳述することができる。期限延長が許可された場合を除き、請求人が期限を過ぎて提出した場合には、「斟酌しない」とされている。

 

無効審判請求人による理由及び証拠の提出期限に制限を設けただけでなく、改正専利法第74条第2項では専利権者の答弁期限にも制限を設けた。詳しく述べると、同法第74条第2項に基づき、専利権者は特許庁から送付された「無効審判請求人が無効審判請求後3ヶ月以内に補充した理由及び証拠」について、1ヶ月以内に答弁しなければならず、あらかじめ理由を説明して期限延長が許可された場合を除き、期限を過ぎても答弁しなかった場合、無効審判請求事件は「直ちに審理される」。特許庁にとって、審理スケジュールをコントロールできる。専利権者が上記期限を過ぎても、審決前に答弁した場合、専利審査基準第五篇第1章第3.2.1節の記載に基づき、特許庁は「斟酌しなければならない」。

 

同様に、無効審判の審理の必要に応じるため、専利審査基準同篇同章第3.2.2節には別途次のように記載されている。無効審判請求3ヶ月後に、特許庁が必要と認め、専利権者に答弁を補充すべき旨を通知した場合、専利権者は通知送達後1ヶ月以内に答弁しなければならない。期限延長が許可された場合を除き、これらの補充答弁又は応答が期限を過ぎて提出された場合、特許庁は「斟酌しない」。

 

専利権者による訂正請求の時点について、改正前の専利法第67条第1項では、本来専利権者はいつでもこれをできるとされていた。一方、改正専利法の施行後、訂正請求できる時点は、当該特許について「無効審判が係属しているか否か」により規定が異なる。無効審判が請求されていない場合は、専利権者は専利権存続期間内にいつでも訂正請求することができる(改正専利法第67条第1項に基づくものである)。しかし、改正専利法第74条第3項には、無効審判請求事件の審理期間において、専利権者は、主務官庁から通知を受け答弁できる期間、補充答弁又は応答期間の3つの期間にのみ訂正請求することができるが、特許権に係わる訴訟事件が係属している場合は、この限りではないとされている。よって、専利審査基準第二篇第9章第2節では、「応答」とは特許庁から訂正請求を認めない旨の通知に対する専利権者の応答であるとさらに定義され、かつ、上記3つの訂正が許可される期間に、専利権者は通知送達後1ヶ月以内に提出しなければならず、期限延長が許可された場合を除き、期限を過ぎて請求された訂正は「受理されない」とされている。また、専利審査基準にも特許について訴訟事件が係属している場合、特許権者は無効審判請求事件の審理期間に、上記3つの期間に制限されることなく、訂正を請求することができると明記されている。

 

上記改正専利法及び改訂後の基準の関連規定に基づき、無効審判請求人は無効審判請求を始める前に、遅延により生じた不利益を被ることのないよう、より詳細な無効審判請求方策を立てて、また、事前に十分な関連証拠を準備する必要がある。専利権者にとっては、無効審判が請求された場合では、その訂正請求の時点は原則的に制限を受けることから(別途訴訟が係属している場合を除く)、専利権者は、権利維持のため、無効審判請求理由を克服でき、訂正が認められる内容をより慎重に検討してから対応しなければならない。 

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