ニューズレター
専利法改正後の実用新案の訂正について
台湾の専利法（日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当）改正案は、2019年4月16日に立法院（日本の国会に相当）で可決され、同年5月1日に総統により公布された。なお、改正案にはその施行日については行政院（日本の内閣に相当）が別途決定するものとされる。行政院は、2019年7月31日に、専利法の改正案が2019年11月1日から施行することを公告した。
現在の実務では、無効審判が係属中でない限り、実用新案の訂正は審理方式審理を採用している（実用新案の方式審理の訂正審理基準に基づく）。改正法施行後（2019年11月1日）、実用新案の訂正について、実体審理（特許の実体審理の訂正審理基準に基づく）が採用されるが、その訂正を請求できる期間は以下の期間に限られる。（1）無効審判請求案件の審理期間における答弁、補充答弁又は応答（訂正請求が訂正拒絶理由通知書を受領した場合）の提出期間、（2）実用新案権に係る実用新案技術報告書請求が受理中の場合、（3）実用新案権に係る訴訟事件が係属中の場合。
このため、今後、実用新案権者は自発的に訂正を請求する場合、先に実用新案技術報告書を請求してからはじめて訂正請求できることになると思われる。
また、智慧財産局（台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当）では、改正法施行前にできるだけ現在方式審理を採用している実用新案の訂正を審理し終えるとしている。改正法施行後、まだ審決がなされていない実用新案の訂正に係る審理は自動的に実体審理に切り替わる。