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利益処分の柔軟性と会計処理及び税務効果について



(一)    はじめに

改正前の会社法の規定によると、会社は毎年の決算において利益があるとき、法に従い税金を完納し、欠損補填及び法定利益準備金を積立てた後に、ようやく株主に利益を配当することができます。しかし、欧米諸国の多くでは、実務上四半期ごとに利益を分配し、また毎月利益を分配することもできます。台湾は毎年決算の後に株主に利益を配当するという規定はあまりにも保守的で、会社は柔軟性に欠け、資本市場が活発なものとなりません。

 

このため、現行の規定では1年に1回しか利益を配できませんが、今回の会社法改正で柔軟性を持たせるために第228条の1を追加し、会社が半年ごと又は四半期ごとに利益を配できるようになります。これにより、会社が収益を上げた後、速やかに株主に利益を分配することができるようになり、投資家が投資報酬をより早く獲得できるようになります。

 

(二)    会計処理

追加された第228条の1によると、半年ごと又は四半期ごとに利益を配当するとき、会社は決算を行う必要があり、この期間の経営成果を株主に報告し、法に従い過年度の欠損を補填し、納付すべき税金を保留し、また10%の法定利益準備金の積立てを行った後で利益を早期に株主に配当します。

 

期中の利益を現金配当する場合、董事会の決議のみが必要となりますが、会社が株式配当の決議を行った場合、関連株式が変動して株主の権利及び利益に比較的大きな影響を与えることになるため、この議案は董事会で決議される必要があるほか、株主総会の特別決議も必要です。

 

会社が期中に利益処分配当した後、年度決算で配当超過の状況が生じた場合にどのように処理するかについて、第228条の1で新たに規定されました。会社が期中に株主に利益を配当した後に、欠損が生じてその年度において配当超過の状況になったとしても、株主はすでに獲得した期中配当を返還する必要はありません。従って、その後の決算で生じた欠損は翌年以降の年度の決算で利益があるときに補填することになります。

 

(三)    税務効果及び対応方式

台湾の総合所得税は原則上現金をベースとし、当年度に取得又は獲得した配当を算入した所得に課税します。よって、株主が2019年度期中に配当を獲得した場合、この株主の2019年度の配当所得となり、株主の身分に基づき所得税を課徴されることになります。また、株主が所得税法における非居住者(例えば、外国機関又は個人投資家)である場合、源泉徴収義務者である会社が期中配当から10日以内に規定の源泉徴収率(通常21%、租税協定の上限税率が適用される場合を除く)に従い納付しなければなりません。株主が所得税法における居住者(例えば、台湾法人又は自然人)であれば、会社はこの期中配当を支払うとき、源泉徴収は必要ありませんが、翌年度1月末までに配当証明書を申告する必要があります。

 

台湾の個人株主については、2019年度期中に配当を獲得した場合、翌年度(つまり2020年度)に総合所得税を申告する必要があります。現行の所得税法の規定に基づき、台湾の個人株主は、他の類型の所得もあわせて申告する納税額からその期中配当を分離し、税率28%で計算して申告することを選択できます。

 

このほか、この期中配当を総合所得総額に含め累進税率により計算して所得税を課徴する方式もあります。この場合、獲得した期中配当の8.5%が控除税額として計算されますが、申告の上限は8万元です。

 

台湾の法人株主が2019年当年度期中に獲得した配当については、現行の所得税法第42条の規定に基づき、国内のその他営利事業への投資で獲得した配当である場合、課税所得額に算入されません。

 

会社は新たに追加された第228条の1の規定に従い、半年ごと又は四半期ごとに利益を処分するとき、定款を修正する必要があることにご注意下さい。また、期中の利益配当は株主にとって早期に投資報酬を獲得できるという利点があり、株主の投資意欲を刺激することになります。会社の配当政策は再検討が必要かどうか、慎重に見極める必要があります。

 



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