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ベンチャー企業の株式計画



一.     ベンチャー事業が抱える資金調達と会社運営という2つの難題

 

ベンチャー企業の多くは事業運営において画期的なアイデアとテクニックを持っていますが、ほとんどの企業は設立当初に資金不足や資金調達が困難といった問題に直面します。外部資金調達やエンジェル投資家を探すことは、ベンチャー企業の中心的な株主が立上げの際に直面せざるを得ない重要な課題です。ただし、エンジェル投資家は投資と同時に、相当する株式の保有を要求してきます。中心的な株主がいかに法令の範囲内で適切に株式を分配し、会社の経営権を維持するかが、円滑な会社事業の運営及び発展には必要不可欠です。

 

二.     20188月の会社法改正によるベンチャー企業の資金調達ルートの拡大

 

1、      無額面株式か額面株式か

 

ベンチャー企業が股份有限公司の設立を選択する場合、額面株式(極端に低い額面株式を含む)か無額面株式かのどちらかを選択することができます。既に設立した股份有限公司も株主総会の特別決議を経ることで額面株式の全てを無額面株式へ変換することができます。

 

以前の会社法では額面株式の発行のみができ、ほとんどの場合その額面金額は新台湾ドル10元とされていました。しかし、現在はベンチャー企業が無額面株式を選択する場合、会社の事業の発展段階に応じて、異なる発行価格を採用できます。よって、外部投資家からの資金調達において、その出資金を抑えて比較的多くの株式数を取得できれば、主導権及び経営権を握ることができます。また、外部投資家の多くはベンチャー企業について投資範囲と折り合いをつけて評価します。無額面株式が可能になったことで、会社の価値をより容易に理解できるようになり、資金調達に有利となりました。しかし、無額面株式を採用する場合、株式発行価格に制限はありませんが、株式発行による所得は全て資本金に充当しなければならないことに注意する必要があります。

 

例えば、スタートアップ時の株主はより低い発行価格で株式を発行できるため、1株当たり0.01元で80万株を発行した場合、このときの会社の資本金は8万元です。その後、1期目のエンジェル投資家に対して1株当たり50元で20万株発行した場合、1,000万元の資金を調達でき、第2期目の投資家に対して1株当たり20元で25万株を発行すると、500万元の資金を調達できます。このときの会社の払込資本金は合計15,008,000元となります。スタートアップ時の株主、第1期目及び第2期目の外部投資家の持株比率はそれぞれ64%16%及び20%となります。

 

2、      種類株式

 

今回の会社法改正により、非公開発行会社も以下の種類株式を発行できるようになりました。

(1).      複数議決権株式

(2).      特定事項への拒否権付株式

(3).      譲渡制限付株式

(4).      董事又は監査役として選任されることを制限又は禁止される、又は特定数の董事を選任できる株式

上記規定は、いずれもエンジェル投資家に対して資金を注入する取引への安全性を保障するためにより多くのインセンティブを提供しますが、同時にスタートアップ時の株主の会社への支配力に影響を及ぼすことはありません。

 

3、      議決権契約

 

エンジェル投資家は、自身の権利・利益を保護し、ベンチャー事業の資金調達を支援するために、議決権契約を利用して、会社事業の運営方針においてスタートアップ時の株主を制限することができます(例えば、営業項目の変更又は他の企業との合併について定款を修正する)。ただし、議決権信託契約は、定時株主総会が開催される30日前までに、又は臨時株主総会が開催される15日前までに会社が登記するために提出しなければ、会社に対抗することを託すことはできません。

 

三.     閉鎖性股份有限公司と股份有限公司の選択

 

閉鎖性股份有限公司は株主数が少なくかつ緊密な関係にあり、株主の株式譲渡に一定の条件を設けている会社です。閉鎖性股份有限公司の株主数は50人を超えることはできず、かつ持株譲渡の制限を設ける必要があります。よって、その株主構成が比較的簡単であれば、コーポレート・ガバナンス上の自由度が比較的高くなり、定款において約定できる事項の範囲も同様に拡大します。

 

しかし、20188月の会社法改正後は、それまで閉鎖性股份有限公司のみに限られていた融通性が、一般の非公開発行の股份有限公司も享受できるようになりました。

 

例えば、現行の会社法では非公開発行の股份有限公司も資産又は技術による出資を容認され、複数議決権付株式又は特定事項への拒否権付株式、董事又は監査役として選任されることを禁止又は制限する種類株式、又は特定数の董事を選任できる権利、複数の普通株式に転換できる種類株式などを設定することができます。また、無額面株式、転換社債の発行、株式配当を半年ごと又は四半期ごとにするなども選択でき、その資金運用及びコーポレートガバナンスともにより柔軟性が得られ、閉鎖性股份有限公司との差が縮まりました。

 

 



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