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アディダス3本線のデザインが商標として登録



 台湾商標法第29条第1項第3号では、その他の識別性を具えない標識のみで構成されたものは登録を受けることができない、と規定されている。また、同法第29条第2項では、出願人が使用し、しかも取引上既に出願人の商品又は役務を識別する標識となっているものは、これを適用しない、と規定されている。智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当。以下「智慧局」という)の審査基準において、簡単な線又は装飾性図案が商品又は役務に使用されるとき、通常は、消費者の注意を引くことが難しく、しかも、たとえ消費者が気づいたとしても、一般的にはそれが商品又は役務の出所を表示し区別する標識であると認識していないため、原則として識別性を具えないものとされている。

 

知的財産裁判所は201881日付の106年(西暦2017年)度行商訴字第50号判決と201896日付の106年(西暦2017年)度行商訴字第57号判決にて、アディダス(adidas)がジャケット又はズボンの側面の特定の位置に長期にわたり世界で使用された3本線(スリーストライプ)、すなわちの図案をもって登録出願した商標について、既に後天的識別性を取得しているとして位置商標としての登録を認めており、当該2つの判決は位置商標の識別性の重要な判断原則を示している。

 

同裁判所は、アディダスが出願した3本線の商標は、装飾的ストライプであるものの、その3本線がジャケット又はスボンの側面の特定の位置に施され、当該位置が商標識別の上で重要な特徴であり、また、アディダスは既に市場において長期的且つ大量にジャケット又はズボンに3本線の商標を使用していることを証明する十分な証拠を提出していることから、当該3本線の商標は出願前に既に関連する消費者にそれが商標権者たるアディダスの商品又は役務の出所を示す標識であると認識させるに足りるものであり、後天的識別性を取得していると判断した。

 

同裁判所はまた、判決において、アディダスの3本線の商標は既に後天的識別性を取得済みであり、関連消費者にそれが商標権者アディダスの商品又は役務の出所を示す標識であると認識させることができることから、登録を許可し商標権による保護を与えるべきであり、同時に、誤認・混同が生じることを避けるよう関連消費者を保護し始めに取引秩序と市場の公正競争を確保することができる、と述べた。よって、智慧局の拒絶査定処分及び経済部訴願委員会の訴願決定を取消する旨の判決を下した。その後、智慧局は知的財産裁判所の判決の見解に基づき、アディダスの3本線の商標をジャケット又はズボン上の使用に指定する出願について登録査定の処分とした。



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