ホーム >> ニュース、出版物など >> ニューズレター

ニューズレター

搜尋

  • 年度搜尋:
  • 專業領域:
  • 時間區間:
    ~
  • 關鍵字:

「当業者」は学歴、職歴により確立すべきか


簡秀如/Julie Wu

 「発明の属する技術分野における通常の知識を有する者」(person having ordinary skill in the art、すなわちPHOSITA、以下「当業者」という)及びその技術水準の確立に関し、最高行政裁判所はかつて2016929日付の105年(西暦2016年)度判字第503号判決において、知的財産裁判所に対し、進歩性を判断する際には「あらかじめ係争特許が重点とする技術分野、従来技術が直面する課題、課題解決の方法、技術の複雑性及びその実務従事者の通常の水準により『当業者』の知識水準を確立したほうが好ましい」と要求した。同裁判所はまた、原判決では係争特許出願日前に当業者の技術水準がどのようなものであったか説明されていないとして、原判決を破棄し審理を知的財産裁判所に差し戻した。

 

最高行政裁判所は上記判決において「当業者の知識水準を確立したほうが好ましい」との原則を述べているが、事実審裁判所では個別事件において当業者はどのような人であるかを一律に確立すべきか、また、どのように確立すべきかについて、実務上疑問が残る。これについて、同裁判所は20181011日付の107年(西暦2018年)度判字第589号判決において再度見解を示している。そのポイントは次のとおりである。

 

1、専利法(日本の特許法、実用新案法、意匠法に相当)では、この架空の人物を定める目的は進歩性を判断する際の当業者の技術水準を確立することにより、進歩性判断における後知恵を排除することにある。したがって、この架空の人物の通常の知識及びルーティンワークの実施、実験能力をどう捉えるのかについて、単純に学歴又は職歴、勤続年数をもって確立するのではなく、その発明が属する技術分野に関する従来技術等の外部の証拠資料によりこれを具体化すべきである。

 

2、専利(特許、実用新案、意匠を含む)進歩性の有無については、無効審判請求手続において法により無効審判請求人は証拠を提出してこれを立証すべきである以上、「当業者」の出願日又は優先日における技術水準については、専利が進歩性を有しないと主張する者が客観的立証責任を負うべきである。

 

最高行政裁判所は上記判決において、原審はすでに係争特許に記載された従来技術及び上告人が提出した証拠で開示された技術内容を通して当業者及びその出願日又は優先日における技術水準を確立しており、経験則又は論理法則に違反するものではないことから、原審は訴訟手続において「当業者」及びその技術水準を確立済みと認めることができる、とした。

回上一頁