ホーム >> ニュース、出版物など >> ニューズレター

ニューズレター

搜尋

  • 年度搜尋:
  • 專業領域:
  • 時間區間:
    ~
  • 關鍵字:

商標の類否判断はその字義だけではなく、消費者の認知を判断基準とすべきである


Ruey-Sen Tsai/Celia Tao

原則的に、商標の類否は、両商標が消費者に与える全体的印象による判断すべきであり、各部分を分割して、個別にみるものではない。しかしながら、消費者が注目し又はその後に印象に残るものは、むしろ商標において比較的顕著な部分である。一般的には、識別性が強い文字ほど、消費者に与える印象も強くなり、他人のフリーライド(ただ乗り)により消費者が誤認・混同する確率もより高くなるもので、これは商標の「主要部分」である。商品又は役務の品質、効能又はその他の成分、生産地等の特性を表す文字、或いは類似商品又は役務ですでに多数の異なる者に商標の一部として使用され登録されている文字(例えばレストラン役務における「Garden」、「皇家(ロイヤル)」等の文字)は、比較的に、一般的にはそれらの識別性は比較的低いと認定されており、商標における「弱い部分」又は「サブ部分」になり、消費者に誤認・混同を引き起こしにくいため、通常、直接、これに従い商標の類否を判断することができない。

 

事業者が商標の名称を選択する際に、商品の品質、効能等の特性を表す外国語を組み合わせて商標の一部とすることは、よくある。しかしながら、これらの商品の品質、効能等の特性を表す外国語は、そのアイデアの出所又は字義は必ずしも台湾消費者に熟知されているわけではなく、他人の商標に類似しているかを判断する際に、商標を対比する時に、いったいこれらの外国語をどのくらい割合で考量すべきかについて、裁判所は個別、具体な事情に応じて斟酌する必要がある。これについて、知的財産裁判所106年(西暦2017年)度行商訴字第164号行政判決では、商標の異議申立に関する具体的な個別事案において、参考に値する解釈の方向性を示している。

 

本件異議申立てられた商標「HYVISC」は、商品及び役務分類表第10類の医療器具等の商品として指定されており、主成分がヒアルロン酸とする関節内注射剤に用いられている。本件引用商標「SYNVISC」も主成分がヒアルロン酸とする関節内注射剤に用いられており、双方の商標の外国語の語尾もいずれも「VISC」となっている。本件の被申立人(商標権者)は、「VISC」は「VISCOSITY」の短縮語で、粘性を有するという意味しており、また、粘性はヒアルロン酸の素晴らしい特性であるので、「VISC」をヒアルロン酸商品に使用することは普遍的であり、かつ、本件の「VISC」は語頭部分に使用されているものでもなく、弱い文字である、と主張した。

 

しかし、知的財産裁判所は次のように指摘した。「VISC」は、ヒアルロン酸が粘性を有することを示すが、当該商標のアイデアの出所及びその意味は、関連消費者が商標図案の外観から知悉できるものではなく、関連消費者は、「VISC」が「VISCOSITY」の短縮語であることを当然知悉しているとは限らない。消費者が商標の類否を判断する際に、客観的に商標が消費者に与える全体的図案から商標の類否を判断するにすぎない。裁判所は、さらに、一般的な消費者が異なる地点又は時間で商品を購買する時、必ずしも明確かつ完全でないイメージをもって行動しており、商標を並べて対比させるわけではない。そこで、当事者双方の商標に付けられる外国語の語尾は、いずれも「VISC」が含まれるので、外観的にすでに類似しており、消費者に誤認・混同を引き起こさせる虞がある、と説明した。

 

 

回上一頁