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労働基準法第84の1条の対象労働者の改正予告について



労働基準法(以下、「労基法」という)第84条の1の「監督若しくは管理の地位にある者」に関して、労働部は201913日に労働条3字第1070131649号法令解釈通達により改正案を予告しました。本改正案では、新たに月間賃金額が20万台湾元以上の高給監督管理職を、裁量労働制の対象労働者に認定するよう公告しています。今回の改正で初めて職種ではなく、賃金額で裁量労働制の対象範囲が決まることになります。本稿では、改正の重点をご紹介いたします。

 

l   裁量労働制について

労基法第84条の1の規定では、中央主務官庁である労働部の審査を経て公告される、監督若しくは管理の地位にある者又は職務責任制の専門人員、監視または断続的な業務に従事する労働者、及びその他特殊な雇用形態の労働者が、その雇用主との間で書面により、労働時間労基法30条、第32条)、休日(36)、休暇(37女性の深夜労働(49などの労働条件について別途約定し、且つ雇用主がこの約定当該地の主務官庁に届け出た場合には、労基法の規定の制限を受けないとされています。この規定は、特定労働者に対して労基法上の労働時間などの労働条件の規制を緩和する「裁量労働制」(中国語では「責任制」という。)とされています。

また、労基法第84条の1による裁量労働制の対象労働者は、現在労働部から認定・公告された保安警備員、客室乗務員など67職種に上ります。労働部が公告した対象労働者以外には、裁量労働制を適用することができません。

 

l   監督若しくは管理の地位にある者について

本通達では、以下の条件を満たしている「監督若しくは管理の地位にある者」を、新たに裁量労働制の適用対象として認定することを予告しました。

1.         月間賃金額が20万台湾元以上

賃金が月額20万台湾元以上の高給労働者が、経営者および管理職に就いている場合、労働時間をある程度自由に決定することができ、労働条件についても対等の立場で使用者と交渉できることから、雇用の柔軟性を高めるため裁量労働制の対象労働者として追加されました。

この月間賃金額は、基本給に諸手当を加算し、毎月実際に支払われる固定給与だけが想定されています。つまり、残業代、ボーナス、配当、営業ボーナスなどの給与は算入されません。

また、労使双方が年間賃金協定を締結した場合、契約書に記載されている月間賃金額若しくは労働保険の保険料算定基礎額が20万台湾元以上かで判断します。

2.         監督若しくは管理の地位にある者

労働基準法施行細則第50条の1の規定によれば、監督若しくは管理の地位にある者とは、雇用主に使用され、事業の経営および管理の仕事に従事し、他の一般労働者の雇用、解雇若しくは労働条件を決定する権限がある監督管理職と定義されています。

また、高給監督管理職のうち、「委任経理人」(会社から委任された支配人等)という職に就いている者は、労基法上では雇用主と雇用関係のある労働者ではないため、労基法若しくは裁量労働制の適用対象外とされています。

 

l   適用について

201918日から117日までの本改正案の予告期間において、国家発展委員会は以下の4つの修正方針を提案しました。

1.本改正案の「月間賃金額が20万台湾元以上」という条件から「月間平均賃金額が20万台湾元以上」に修正する。

2.月間賃金額について、「20万台湾元」ではなく、「業種別の賃金中央値の2倍」を基準とする。

3.月間賃金額について、「20万台湾元」ではなく、「最低基本賃金の3.5倍」を基準とする。

4.適用対象について、高給「監督管理職」のみならず、高給「職務責任制の専門人員」も含める。

 

労働部は、上記提案を考慮した上で、本改正案を最終公告しますので、早ければ2月に施行される見込みです。施行後、雇用主はこの規定を適用するために、高給監督管理職と労働時間、休日、休暇、女性の深夜労働などの労働条件に関して書面で約定し、且つ労工局などの当該地の主務官庁に届け出をして、認可を得る必要があります。

なお、司法院大法官第726号解釈によると、雇用主が当該約定当該地の主務官庁に届け出なかった場合、裁量労働制を適用することができず、労基法による労働条件の規定が適用されることになります。

 

 

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