ホーム >> ニュース、出版物など >> ニューズレター

ニューズレター

搜尋

  • 年度搜尋:
  • 專業領域:
  • 時間區間:
    ~
  • 關鍵字:

最高行政裁判所は、先取り登録防止規定における商標の先使用権の成立要件に対してより厳格な解釈を採用


Ruey-Sen Tsai/Celia Tao

原則として、台湾の商標法によれば、先に使用されたにもかかわらず、登録がなされていない商標は、商標法の保護対象ではない。しかし、商標の使用は商標の核心価値であるため、条文を過度に硬直化して適用すると、が弊害が生じることを避けるため、商標法第30条第1項第12号で規定される「先取り登録防止規定」によれば、先に使用されたが登録されていない商標も保護対象とされている。

 

商標法第30条第1項第12号「先取り登録防止規定」によれば、同一または類似する商品または役務について、他人が先に使用している商標と同一または類似のもので、出願人が当該他人との間に契約、地縁、業務上の取引またはその他の関係を有することにより、他人の商標の存在を知っており、意図的に模倣し、登録出願した場合、登録を受けることができない、と規定されている。言い換えれば、この「先取り登録防止規定」に違反する商標登録は以下の3つの要件を満たさなければならない。(1)係争商標は引用商標と同一または類似すること。(2)引用商標は他人が先に同一または類似の商品または役務に使用している商標であること。(3)係争商標の出願人が特定関係により引用商標の存在を知っており、意図的に模倣し、登録出願したこと。しかしながら、本号でいう「先使用」について、どのように認定すべきかについては、実務上、まだ議論の余地がある。

 

これに対して、最高行政裁判所107年(西暦2018年)度判字第301号判決では、個別具体的な案件において、「先取り登録防止規定」の適用に対して、重要な解釈方針が示された。商標の「先使用」の定義について、従来の実務見解よりも比較的厳格に認定された。

 

最高行政裁判所は、本件において、本条項でいう先使用を主張する場合、引用商標がすでに商標として使用されるという前提が必要であるという見解を示した。詳しく言えば、商標法第5条で規定される商標の使用に関する要件を満たすほか、引用商標は「取引過程において使用されること」及び「関連消費者に商標として認識されるに足りるものとし、かつ、その商標の使用は商業取引の一般慣習に合致するものであること」を証明しなければならない。また、最高行政裁判所は、引用商標が「役務」に関する権利を主張する場合、その商標の使用は他人に対して労務または活動を提供するものでなければならず、仮に商標の名称または標識は、専ら自己の事務または商品のために使用する場合、合法的なに商標を使用すると認められない、という見解示した。

 

最高行政裁判所は本件事実についてさらに以下のとおり指摘した。本件の引用商標権者は、書籍出版などの役務に先に商標を使用したことを主張した。しかし、引用商標権者その主張した先使用の事実は定期的に開催される年会に引用商標を使用し、その団体名または標識を表示するものに過ぎず、商標の使用であると認められない。そのほか、原審裁判所は、会議を開催したときに必ず会議資料及び文章を刊行物としてを作成すると認定した。しかし、最高行政裁判所は、このような刊行物は会議に付随していいる出版物に過ぎず、商標の使用であると認定することができないとして、原判決を破棄し、原審に差し戻して再調査を命じた。

 

 

回上一頁