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加工改造した真正品の輸入販売行為は、真正品の並行輸入として商標権の侵害に当たらないという抗弁を主張できない



現在、多数実務見解によると、商標商品の真正品の並行輸入は商標法違反にはならないが、商標権者の同意又は許諾を得ずに商品に対して加工、改造又は変更を加え、なおも商標権者の登録商標を付して販売した場合、真正品の輸入又は販売として商標権の侵害に該当しない、もしくは商標法に違反しないと主張することが可能か否かについては、疑念がある。

 

台北地方裁判所106年度(西暦2017年)智易字第52号刑事判決では、2017年に個別具体的な事案において、次のとおり判示した。「真正品を並行輸入」する輸入業者は、その輸入した「商標権者により製造販売され商標図案が付された真正品」に対して、いかなる加工、改造又は変更も加えず、工場出荷時のオリジナルの状態で販売された時は、その商品の出所は正当であり、商標の専用使用権者又は許諾を受けた使用者の信用に損害が生じることはなく、また、市場の独占、壟断を防止することにより、同一商品の自由な価格競争を促すことになり、消費者も合理的な価格で購買選択できる利益を享受することができることから、商標法の立法目的に反しない範囲において、すでに商標の専用使用権者の同意を得て当該商品を輸入、販売し、並びに単純な商品の説明を行い、同一の商標図案を当該商品の広告等の同類の書面に適切に付すことができると認めるべきである。反対に、工場出荷時のオリジナル状態で販売せず、無断で加工、改造又は変更を加えたうえで、なおも同一の商標図案を当該商品に付し、又は当該商標図案を商品の広告等の同類の書面に付して陳列又は配布し、その結果、消費者にそれが商標の専用使用権者又は許諾を受けた使用者、指定した代理店、販売店であると誤認・混同を生じさせるに足る場合、他人の商標の悪意による使用行為に該当し、他人の商標専用使用権を侵害する意図があることが明らかであり、その事情により商標法の罰則規定を適用すべきである。

 

台北地方裁判所は、当該事案において、次の見解を示した。被告は並行輸入品を輸入した後、台湾のプリンターの構造設計と合致させるため、米国オリジナルパッケージを解体し、トナーカートリッジのプラスチックカバーに、熔化する方法で加工して凹穴を作り出すよう従業員に指示した。それにより、商品の外観は原商品とはすでに異なっており、工場出荷時のオリジナルの状態のままの販売でないことは明らかで、また、その商品上に尚も商標権者が所有する係争商標が付されたことは、客観的にマーケティングのために当該商標を利用したことは明らかで、それらの商標の使用に該当したことは間違いない。さらに、被告は商標権者の同意又は許諾を得ておらず、かつその輸入された米国規格のトナーカートリッジが、商標権者が台湾で販売する本体に合わない等の状況を知悉していたにもかかわらず、無断で輸入した商品の外観を改造したことから、他人の商標権を侵害する故意がなかったとは言い難い。このほかに、当該トナーカートリッジは、商標権者から被告が行った加工・改造による凹部はプリンター機器の印刷品質に影響を及ぼすとの認定がなされたため、商標権を侵害する商品である。商標の役割は自己の商品を表彰することにより、一般消費者に当該商標の商品を認識させ、さらに商品の出所と信用を識別させるものであることから、被告による上述の改造行為は、確かに商標権者の商標及び商業的信用を損害していることが明らかである。よって、被告が順調に販売するために、輸入した商品に行った外観的改造は、当該改造した商品がすでに商標権者が本来製造販売を許諾した商品ではなかったため、商標専用使用権の侵害に該当した行為である。

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