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普通名称化による登録商標廃止の防止に向けた取組み



 商標は識別性を具えて初めて商標登録を受けることができるものであるが、客観的条件が存在するため、関連する事業者又は消費者はすでに当該商標によって商品又は役務の出所を区別することができない場合、当該商標はその識別性を失い、普通の名称となるため、商標関連法令による保護を受け続けることができなくなる可能性がある。したがって、商標権者はその登録商標が慣用名称になることの防止に向けて積極的に取り組んでいく必要がある。

 

 商標登録後、商標権者がその商標を不当に使用し、又は第三者がその商標を商品名として使用することを容認したことによって、当該商標が指定商品の慣用名称となった場合、当該商標が有すべき識別機能を失っていることになり、それは商標法第63条第1項第4号に掲げる登録廃止(取消)事由に該当する。例えば、「猫眼」はかつて登録商標であったが、その後にすでに道路の夜間反射標示又は反射器の製造業者の間で普通に使用される名称となっており、商標が有すべき識別機能を失っている。その他の外国語商標については、例えば、現在「Aspirin(アスピリン)」「Escalator(エスカレーター」「Videotape(ビデオテープ」はすでに慣用名称になっており、商標の識別性が失われている

 

 そのため、登録商標を使用するときは、登録商標を商品の名称、代名詞又は同義語として使用することは避けなければならない。一般的には商標が登録後に慣用名称になってしまう原因は、当該登録商標の商品が革新的なもので、商品発売後、顧客から高く評価されているため、消費者が商品購入時に、直接当該登録商標でその商品を呼称し、或いは業者が類似商品を新発売する際に当該登録商標でそれを呼称することにより、時が経つにつれ当該商品の代名詞になり、消費者や業者の間では普通に使用されるようになったため、商標の持つ出所表示機能が失われてしまい、もはや消費者はその商品の出所を識別することができなくなったのである。

 

 智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当。)が公布・施行した「登録商標使用に係る注意事項」(中国語「註冊商標使用之注意事項」)により、登録商標が指定商品の慣用名称として定着していないようにするため、考えられる使用方法の一つとしては、商標と商品名とを併せて使用し、商標を商品の出所を表示(記述)するための「形容詞」として使用することである。また、会社が新製品の研究開発に成功したとき、特に当該製品がその関連分野で革新的なものである場合、消費者がこの新製品を何と呼んだらいいのか分から直接当該登録商標を製品の名称として呼ぶことを回避するため、発売当初から当該商品の名称を十分に認識できるよう、消費者に告知する必要がある。次に、商標が商品の慣用名称として定着したか否かを判断する際、その主な根拠は、当該商標が消費者に残印象及びその主な意味が製造者であるか、又は商品の名称であるか、ということである。したがって、登録商標の使用の際、消費者の注意を引くとともに、それが商標であると消費者に認識させるため、できるだけ明らかな方法で商標を表記すべきである。また、商標登録された後に、消費者にそれが登録商標であるとよく認識させ、及びそれが登録商標であることを提示する方法として、並びに第三者に商標権侵害とならないよう注意喚起して、商標権を保護するため、登録商標又は国際的に通用する登録商標記号®を付することができる。

 

 より重要なのは、商標権者、他人による登録商標の不当使用行為を止めるために積極的なアクションをとるべきであり、これも自己の商標権益を維持するための重要な手段である。例えば、「VELCRO」商標は消費者又は業者に誤って「ベルクロ」又は「面ファスナー」の商品の慣用名称として使用されたことがあるが、当該商標の商標権者は、他人の不当使用、呼称又は商標登録出願によってVELCRO」が慣用普通になる虞のある行為に対して、警告状の発送など必要な法的アクションを積極的に講じた。

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