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「特許権存続期間延長登録」に係る審査基準の改訂



 201841日に、専利(特許、実用新案、意匠を含む)審査基準第二篇第11章「特許権存続期間延長登録審査基準」の改訂が適用された。今回改訂の主なポイントは以下のとおりである。

 

1.     第一回許可証の所有者と特許権者が形式上一致しない時、出願人は両者が同一の法人格を有し、又は専用実施権の許諾関係が存在する旨の証明を提出しなければならない。また、実施権の設定登録は、延長登録出願の要件ではない。

 

2.     第一回許可証の有効成分を認定するに当たっては、薬品に薬理作用を具える部分(フリー体FFfree form))ではなく、薬品の有効成分それ自体を基準としなければならない。いわゆる「第一回許可証」とは、同一の有効成分(active ingredient)及び同一の用途について取得した最初の許可を指す。原則的に同一の化学部分(chemical moiety)を有する異なる塩類、異なるエステル類、又は異なる水和物で取得した異なる許可証は、いずれも第一回許可証と認定することができる。

 

3.     特許請求の範囲と第一回許可証に記載の有効成分又は用途との関連性の判断基準を、対応関係から包含関係に改めるとともに、関連説明の修正と事例の追加も行った。延長登録出願の審査について、第一回許可証に記載された有効成分及び用途は、当該延長登録出願に係る特許請求の範囲に含まれることを確認しなければならない。物の発明である場合、その第一回許可証に記載された有効成分は、物の請求項の範囲に含まれるべきである。用途発明である場合、その第一回許可証に記載された有効成分及び用途は、用途の請求項の範囲に含まれるべきである。物の製造方法の発明である場合、その第一回許可証に記載された有効成分は、製法請求項に記載された製造方法で得られた物の範囲に含まれるべきである。

 

4.     外国臨床試験の開始日・終了日について、ICHInternational conference on harmonization of technical requirements for registration of pharmaceuticals for human use:医薬品規制調和国際会議)の基準を満たした臨床試験報告書で定義された試験開始日(study initiation date)と試験終了日(study completion date)の期日とする旨を明確にした。外国の臨床試験期間をもって延長登録出願する場合、当該外国の臨床試験計画の重点を説明するとともに、ICHの基準を満たした臨床試験報告書で定義された試験開始日と試験終了日を、外国臨床試験期間の開始日と終了日として記載しなければならない。

 

5.     農薬登録申請の審査期間の終了日について、農薬許可証に記載された発行日に改めるとともに、農薬の「使用方法及びその範囲」に関し、その許可公告日から農薬登録の申請者が証明書類を完備し登録を済ませた日までの期間は、出願人の責めに帰すことのできる不作為の期間とする旨の規定を新設した。

 

6.     外国の臨床試験期間をもって延長登録出願する場合は、その国外で延長登録が認められた証明書類を備えなければならないという規定を削除した。

 

7.     「許可証取得の基準を満たさない資料の不備」により許可証取得に中断又は遅延が発生した期間は、出願人の責に帰すことのできる不作為の期間とする旨の規定を新設した。薬品検査登録又は農薬登録の申請は、どちらも具備すべき書類及び手数料について明らかに定められている。資料の不備又は手数料の未納又は衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)の審査時に許可証取得の基準を満たさない資料の不備により、資料の補正又は追納の必要が発生し、許可証取得の期間に遅延を引き起こした場合、原則として出願人の責めに帰すことのできる不作為の期間となる。

 

8.     学術研究のための臨床試験を検査登録のための臨床試験に移行する場合、当該学術研究のための臨床試験の開始日を国内臨床試験の開始日とすることができる旨を明文化した。

 

 今回の改訂に関しては、上記2.では第一回許可証に対する認定を緩和したが、専利法第56条の規定により化合物の特許の延長範囲も許可証に記載された特定の成分に限定されることになる。また、上記7.の規定が新設されたことに伴い、「出願人の責めに帰すことのできる期間」の認定範囲も拡大され、特許権者に不利な影響を及ぼすことになる。



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