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知的財産裁判所が商標登録出願前からその商標を使用して販売した商品について、商標登録後も商標権侵害物品に該当しない旨を支持



商標権を侵害した物品が犯罪行為者の所有に属するか否かを問わず、これを没収することは、「商標法」第98条では明文に規定されている。しかしながら、「商標権侵害物品」に該当するか否かを判断する際に、個別具体的な案件において、争いが残されている

 

検察官が不起訴処分をした事案について、新北地方裁判所検察署の検察官は当該差押え物品に対して単独で没収を宣告するよう請求したが、新北地方裁判所105年(西暦2016年)度単声没字第392号刑事決定はその請求が棄却した。新北地方裁判所検察署検察官は抗告を提起したが、知的財産裁判所106年(西暦2017年)度刑智抗字第13号刑事裁定は、新北地方裁判所の原決定を維持し、抗告を棄却した。本件のポイントは、かかる差押え物品が「商標権を侵害する」物品であるか否かとなっている。

 

知的財産裁判所は、次のように指摘している。「商標法」第98条に規定されている「商標権を侵害する物品」について、裁判所が没収の請求を受理し没収するか否かを決定した時(つまり裁判時)を基準とすべきであり、行為者が当該物品を購買した時を基準とするものではないが、行為者が購買した時に、商標がまだ登録されていない場合、その物品に商標を使用したことは商標権を侵害していない。かかる物品が権利を侵害していない方法で市場に流入販売される場合、既得権の保障に基づき、たとえその後に商標を登録したとしても、解釈上、かかる物品に商標権の効力は及ばず、流通市場で継続して販売することは許される。また、「商標法」第36条第1項第3号では、善意の先使用者は原使用の商品の規模に、本来の商標の使用を継続的に行い、商品販売することができると明文に規定されているため、勿論解釈により、以前、善意の先使用者がすでに販売流通していた商品は、その後に取得した商標権の効力の制限を受けることにはならない。上述論理については、若干観点的角度は違うが、いずれも同一の解釈結果を得られるので、このように、商標登録出願前からすでに商標が使用されて販売流通されていた商品は、たとえ商標登録後にも商標権を侵害する物品に該当しないことが分かる。

 

知的財産裁判所は、本件事案の事実についてさらに次のように説明する。検察官による不起訴処分における事実認定によると、本件で単独で没収を宣告するよう請求された差押え物品(放熱器)は、被告2人が20149月又は10月に中国の淘宝(タオバオ:中国のオークションサイト)で深圳市の諾西会社から購入したが、本件登録商標は201581日から台湾で登録された。言い換えれば、被告2人がこの商品を購入した時には、かかる商品は商標権を侵害していない物品であった。前段落の説明によると、かかる商品は、本件商標登録後においても、その商標権の効力が及ばない物品であり、商標権を侵害しないと認められる。

 

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