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IoT関連技術の特許出願動向について



 インターネットの発展と普及に伴い、各種センサー、モバイル通信、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析等、多くの分野における技術を融合した「モノのインターネット」が生まれた。モノのインターネットの原文(英語)はInternet of Things(以下「IoT」という)で、つまり、モノ同士がインターネットでつながることを指し、応用範囲は極めて広く、医療ケア、交通運輸、物流、家電のスマート管理、プロパティマネジメント等にわたる。日々進化しているIoTは、徐々に人類のライフスタイルと消費パターンを改変していくこととなる。

 

 ネットワーク技術の発展により、IoT技術は近年各国において急速に発展しており、IoTの発展は徐々に人類の日常に影響を及ぼしつつあり、各大企業は次々と研究開発と特許ポートフォリオに注力している。各国の特許庁もまたこの動向に注目しており、特に日本特許庁は2016年にIoT関連技術の特許分類の新設を公表した。

 

 弊所は英国知的財産庁(UKIPO)が2014年に公表したIoT特許統計報告における国際特許分類(IPC)に基づき、智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)の特許データベースにて検索・統計の作成を行った。図1から、台湾で出願された特許のうち、IoT関連分野が2011年から毎年公開・公告特許件数が年々明らかに増加していることが分かる。特に2015年は1600件を超えた特許が公開・公告されている。

 

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 台湾の特許出願において、2010年~2016年に公開・公告された特許のうちIoT関連技術の国際特許分類の上位3位は、それぞれH04L29∕06(通信制御及び通信処理、プロトコルによって特徴づけられるもの)、G06F15∕16(データ処理装置、2つ以上のデジタル計算機が結合されたもの、複数のプログラムの同時処理を行うためのもの)、及びH04L12∕28(データ交換ネットワーク、パスの構成に特徴のあるもの、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN))である。

 

 図2はこの3つの分類の2010年~2016年における公開・公告件数の増減状況を示したものである。その中で、H04L29∕06の特許の2010年~2016年における公開・公告件数は安定しており、G06F15∕16の特許の2010年~2016年における公開・公告件数は引き続き増加しているが、H04L12∕28の特許については、年々減少傾向にある。IoT関連技術の発展において分類番号G06F15∕16の関連技術は徐々に重視されており、一方、H04L12∕28の関連技術が近年では、主流ではないことが見て取れる。

 

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 図32010年~2016年において台湾で公開・公告されたIoT関連技術の特許件数の上位10位の出願人・権利者を示している。その中で米国のクアルコム(Qualcomm及びインターデジタル(InterDigital)が上位2位を占めている。台湾企業では鴻海(Foxconn)が第3位で、国内企業のIoT特許ポートフォリオにおいてリードする地位となっている。

 

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 上述の統計から、国内産業のIoT関連技術についての特許ポートフォリオの速度は明らかに国外企業に遅れたことが分かる。また、2014年のUKIPO及び2016年の米国のLexInnovaによりそれぞれ発表されたIoT特許統計レポートによると、中国出願人はすでに出願件数第3位に躍進している一方で、中国企業の台湾での出願件数は公開・公告された特許件数の出願人・権利者の上位10位にも入っていない。

 

 しかしながら、IoT関連技術はソフトウエア関連発明と密接に関連しているため、特許が付与されるか否かについては、特許出願書類の記載方法が特に重要となる。各国におけるソフトウエア関連発明の審査基準にはやや違いがあることから、IoT関連技術に係る特許出願書類の記載方法については、その特許性を確保するため、各国におけるソフトウエア関連発明の審査基準を考慮する必要があり、また、各実施可能な態様を考慮して初めて特許はあれども実施できないという苦境を免れることができる。

 


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