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文書における「機密」の文字の表示は「合理的な秘密保持措置」に属するのか



「営業秘密法」第2条の規定によると、「営業秘密」の要件には「一般的に当該情報に関わる者に知られていないこと」(秘密性)、「その秘密性により実際的又は潜在的な経済価値を有すること」(経済性)と「保有者がすでに合理的な秘密保持措置を採っていること」(合理的な秘密保持措置)の3つが含まれ、いずれも欠けてはならない。営業秘密が侵害された時は、権利者は、主張の根拠とした情報が上述3要件を満たすことを証明し、初めて「営業秘密法」による保護を受けることができる。

 

その中で、営業秘密の保有者がどのような秘密保持措置を講じて初めて合理的と言えるかは、重要な議題となってきた。実務において、機密情報が開示される書面に「機密」等文字が表示されているのはよく見受けられるが、このようにすれば「合理的な秘密保持措置」の要件を満たすことができるのかについて、裁判所の見解が分かれている。

 

台湾知財裁判所は201625日に下した102年度(西暦2013年)民営上字第4号第二審の民事判決において、この問題について比較的厳格な立場を採っている。その見解は以下のとおりである。当該事例の原告はすでに営業秘密であると主張した書面に赤ペンで「商業機密」と手書きしたが、営業秘密の種類及び内容はそれぞれ異なるので、業務上のニーズに応じて区分、等級に従い分けし、かつ、異なる職務権限の等級に対し適切な管制措置を行い、各種の技術上又は営業上の情報を秘密として管理しなければならない。同裁判所はまた、原告は情報受信者といかなる秘密保持契約も結んでおらず、また、情報受信者には何らかの法律上秘密保持義務を負うかも明示しておらず、さらに、区分、等級分けといったグループ管制措置も採っておらず、かつ、特定者への保管の依頼、関連人員による取得の制限及び担当者への秘密保持内容及び秘密保持方法の告知もしていなかったため、原告は「商業機密」、「機密」を記載しただけで、合理的な秘密保持措置を取っていたとは認めがたく、営業秘密の要件を満たしていない、との見解を示した。

 

しかし、最高裁判所は、この事例について異なる立場を示したようである。同裁判所は201763日に下した106年度(西暦2017年)台上字第350号民事判決において、営業秘密の保有者は営業秘密であると主張した書面を交付した時、「商業機密」という警告表示を表示しているので、主観的には、保有者はそれを秘密として管理していると認められ、また、商品パッケージには、かかる情報の内容を開示してはならないと記載されているので、営業秘密の保有者は、かかる情報を受信できる特定者以外の者もかかる情報の内容を知る得る状態に置きたくなかったことを証明できるので、合理的な秘密保持措置を採っていたと認められる、との見解を示した。

 

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