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労働基準法施行細則改正案について



労働基準法(以下、「労基法」という)が20161221日から段階的に施行されたことに伴い、労働部は2017315日に労働基準法施行細則改正案(以下「改正案」という)を公表し、意見募集を開始しました。改正案の内容は今後修正される可能性がありますが、大幅に変更になることはないものと予想されます。改正案は、今月5月又はそれ以降に施行される見込みです。以下では、改正案の概要をご紹介します。

 

一、改正案第2

  「平均賃金」は、労働者の解雇手当、退職金、職業災害補償、退職後の競業禁止に伴う補償の基準となります。平均賃金は、事由が発生した当日から遡って6ヶ月間の給与により計算します。労働者の平均賃金が、通常と異なる就業形態によって重大な悪影響を受けることがないようするために、改正案は、以下の7つの状況のいずれかに該当する場合には、その期間の給与及び日数は平均賃金の計算に含めない旨規定しています。このうち第5号から第7号までは、今回の改正案で新設されたものです。

 1 計算事由が発生した当日

 2 職業災害によって、治療中である場合

 3 労働基準法第50条第2項によって給与の半額が支給されている場合

4 雇用主が天災、事変又はその他の不可抗力によって事業を継続することができなくなり、その結果労働者が労働できなくなった場合

 5 労働者休暇取得規則に基づいて一般傷病休暇を取得した場合

 6 労基法及び性別労働平等法に従って、生理休暇、産休、家庭介護休暇又は妊娠休暇を取得し、給与が減少した場合

 7 無給休職期間中である場合

 

二、改正案第7

 

労働基準法第36條で休息日の規定が新設されたことに伴い、労働契約に記載すべき事項に、労働者が7日ごとに1日の休息日が与えられることが追加されました。休息日は労使の約定によって決定されます。通常の勤労時間形態の場合には、土曜日を休息日にすることが多くなっています。

 

三、改正案11

「基本賃金」は、労働者が「通常労働時間」に得られる報酬をいいます。労基法に「休息日」の規定が新設されましたが、休息日における労働は残業として扱われるため、通常労働時間には含まれません。そこで、改正案は、休息日に追加で支払われる賃金は基本賃金に含まれないことが明記されました。

 

四、改正案14

  現行の規定では、児童労働者の基本賃金は、通常の基本賃金の70%を下回ってはならない旨規定されています。しかし、改正案では、児童労働者の権利保護のためこの現行規定を削除し、児童労働者も通常の基本賃金の保障が適用されるようにしています。

 

五、改正案14条の1

  労基法は、雇用主は給与の各項目の計算方式の明細を提供しなければならず、かつ賃金台帳に完全に記載しなければならないと規定しています。改正案では、給与の各項目の計算方式の明細に含める必要がある項目として、以下の事項を列挙しています。

1 労使双方が合意した賃金の総額

2 給与の各項目の給付金額。これには、本給(基本給)、ボーナス、手当、時間外勤務手当て(残業代)等、労働者が労働を通じて受領する報酬が含まれます。

3 法律の規定又は労使双方の別途の合意によって控除することができる項目。例えば、労働者が負担すべき、労働者保険及び全民健康保険の保険料、労働者の希望により拠出する退職金、労働者福利金が含まれる。

4 実際に支給される金額

改正案では、雇用主が提供する給与の各項目の計算方式の明細のフォームが定められており、そしてこれには、書面・電子資料による送付方式(例えば、電子メール、ショートメール、通信ソフトウェア、事業者のイントラネットの賃金システム等)またはその他労働者がいつでも取得し印刷できる資料が含まれるとされています。

 

六、改正案第20

労基法36条で休息日の規定が新設されたことに伴い、改正案では変形労働時間を採用し休息日に変更がある場合、公告し周知しなければならない旨の規定が追加されました。

 

七、改正案20条の1

  労基法36条で休息日の規定が新設されたことに伴い、改正案では雇用主が労働者に休息日に労働させた場合、これも延長労働時間(残業)に含まれる旨規定されました。

 

八、改正案第21

  労基法第30条第5項は、雇用主は、労働者の出勤記録を備え置かなければならない旨規定しています。改正案では、出勤記録には、出勤簿、出勤カード、カード読み取り機、入室カード、生物学的特徴認識システム(例えば指紋読取機)、コンピュータ出勤記録システム又はその他出勤時間を認証できるシステムの記録を含まなければならない旨規定されました。さらに改正案では、前項の出勤記録は労働検査の必要があるとき又は労働者から申請があったとき、書面の方式によって提出しなければならない旨規定されました。

 

九、改正案第23

  改正案では休暇となる記念日及び祭日については、内政部の統一規定に従う旨規定されました。この結果、休暇となる国定の祝日はもともと19日あったものが12日になりました。

 

十、改正案23条の1

  改正案では、主務官庁が指定した休日(すなわち選挙又は罷免の投票日)を除き、休暇となるべき記念日及び祭日と、定例休日(例假)又は休息日が重なった場合、振替休日を与えなければならない旨規定されました。いつを振替休日にすべきかについては、労使の協議によって決定されます。

 

十一、改正案24

  改正案では、労働者の特別休暇(年休)付与の基礎となる勤務期間については、雇用日から起算し継続して一定期間勤務した場合、雇用主は労働基準法38条1項の規定に従って特別休暇を与えなければならない旨規定されました。言い換えると、特別休暇を取得することができる時点は、6ヶ月以上1年未満の場合を除き、勤務開始日を基準とすることになります。

  特別休暇のアレンジが柔軟に行なえるよう、改正案では、労使の合意により、以下の期間内に特別休暇を行使できるようにすることができる旨規定されています。

1 「周年」制:労働者が勤務を開始した日から起算して毎年1年間。ただし、勤務期間が6ヶ月以上1年未満である場合、特別休暇の権利が与えられてから6ヶ月の期間。

2 暦年制:毎年1月1日から1231日の期間

3 会計年度制:事業者の会計年度の期間

 

周年制、暦年制を採用した場合の特別休暇取得方式は以下のとおりです。

 

周年制

 

暦年制(例1)

 

暦年制(例2)

 

  雇用主は、労働基準法第38条第3項に従い、特別休暇の付与を労働者に告知する義務を負います。これは労働者が特別休暇の要件を満たしてから30日以内に行なわなければなりません。

 

十二、 改正案第24条の1

() 年度終了時に未取得の特別休暇に対して、給与を支払う必要があります。改正案では、「年度終了」は、雇用主が採用した周年制、暦年制、会計年度制の各年度の終了日をいうと規定されました。

() 改正案では、未取得の特別休暇に対する給与支払は、以下に従って処理されると規定されています。

1.  給与支給の基準

(1) 雇用主は、未取得の特別日数に応じて、1倍分の給与を支払う義務を負う。例えば、年度終了時に5日間の特別休暇が未取得であった場合、雇用主は労働者に5日分の給与を支払う義務を負う。

(2) この場合の給与は、労働者の特別休暇の年度終了前の、又は契約終了前の、1日の通常労働時間で得られる給与とする。月ごとに支払っている場合、年度終了前又は契約終了前の直近の1ヶ月間の通常労働時間の給与を30で割った金額が1日の給与となる。

2. 支払期限:

(1) 年度が終了した場合:雇用主は、もともと約定されている給与の支払日に、又は年度終了後30日以内に支払う義務を負う。例えば、労使双方が毎月5日を給与支払日とする旨約定した場合において、年度終結日が415日であるときは、雇用主は55日に未取得の休日に対する給与を支払わなければならず、遅くとも515日までには支払わなければならない。

(2)   契約終了の場合:雇用主は、契約終了日又はもともと約定した給与の支払日に支払わなければならない。例えば、労使双方が毎月5日を給与支払日とする旨約定した場合において、退職日が415日であるときは、雇用主は415日に未取得の休日に対する給与を支払わなければならず、遅くとも55日までには支払わなければならない。

 

十三、改正案24条の2

雇用主は毎年定期的に書面により労働者に取得した特別休暇の日付及び未取得の特別休暇に対して支払った給与の額を通知する必要があります。改正案では、この書面による通知は、以下の規定に従い処理しなければならないと規定されました。

() 書面による通知は、前述の第24条の1に従って給与を支払う期限までに行なわなければならない。

() 書面による通知の形式には、書面、電子資料による伝達方式又はその他労働者がいつでも取得し印刷できる資料の方式が含まれる。

 

十四、改正案24条の3

労基法39条は、雇用主は、労働者の同意を得た上で休暇日に勤務をさせた場合、倍額の給与を支給しなければならない旨規定しています。改正案は、「休暇日」は労基法37条に規定する祭日、記念日又は第38条に規定する特別休暇をいうと規定しました。換言すると、休暇日勤務により倍額の給与を支払う必要があるのは、祝日、記念日及び特別休暇に限定されることが明記されました。


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