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OEMは当然「商標の使用許諾」であるとは限らない



実務において、OEM(委託加工製造又は製造代行)の定義とは何か、OEMは商標の使用に該当するのか、OEMは一体商標の使用許諾であるのか否かは、極めて重要な議題となっている。

 

智慧財産局(台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)が制定した「登録商標の使用に関する注意事項」によると、我が国において商標権を有する商標権者が外国人である場合、国内業者が当該商標権者の委託を受けて我が国で当該商標の商品を製造し、また、それをその本国又は第三国に輸出して販売することは、国際貿易で俗にOEM (委託加工製造)又は ODM (委託設計製造)と呼ばれる商業行為である。当該商標の商品が我が国で製造されており、かつ、当該商標の使用も国内業者が国際貿易に従事する商取引上の習慣と合致するため、かかるOEM行為は当該商標権者の我が国における商標の使用行為として認められる。智慧財産局の立場によると、OEMやはり商標の使用に該当するようであるが、当該商標の使用は、OEMによる商標の使用行為ではなく、商標権者による我が国における商標の使用行為と見なすべきである。

 

しかしながら、権利侵害に関する事例において、多くの裁判所が全く異なる見解を示している。多くの裁判所は、外国の商標権者が製造を委託する製造代行の場合、製品を外国へ輸出して販売するに過ぎず、つまり、委託者の指示を受けて商標を付した商品を完成させ、並びにそれを委託者に納品するだけであり、かつ、その商品も国内市場に流入しておらず、OEM業者は自己の意思をもって市場で販売する意図がないため、当該商標の使用者であると認められない。ただし、OEM業者が受注数量を超える商品を製造し、さらにその部分の商品を国内市場で販売した場合、主観として、すでに製造代行の意思を販売目的の意図に変更しているので、商標の使用行為に該当し、、我が国の商標権者の同意を得ずに、当該商標を使用してはならないのは当然である、という見解を示した。

 

知的財産裁判所の104年(西暦2015年)度民上商字第19号民事判決において、許諾に関する紛争事件につき、OEMと商標の使用許諾との違いをさらに明確にした。同裁判所は、商標の使用許諾の場合、被許諾者が自己の名義をもって商品製造後に販売を行うことになるが、OEMの場合、商品製造後、商品を委託者に納品しなければならず、自ら商品を対外的に販売してはならないので、OEMは商標の使用許諾に該当しない、とした。


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