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「訂正審判・訂正請求の審判便覧」の改定について



 

 

専利(特許、実用新案、意匠を含む)が登録された後、台湾の専利法第67条では以下の各号のいずれかに該当する場合、当該公告された特許の明細書、特許請求の範囲又は図面について訂正を請求することができる。(1)請求項の削除、(2)特許請求の範囲の減縮、(3)誤記又は誤訳の訂正、(4)不明瞭な記載の釈明。しかしながら、同条文第4項ではさらに「訂正は、公告時の特許請求の範囲を実質的に拡大又は変更してはならない。」と規定している。専利法の訂正についてのこのように厳格な規定は、特許出願に係る発明が一旦公告された後は公衆の利益に関するため、特許権者が任意に明細書、特許請求の範囲又は図面を訂正することを許可した場合、必然的に公衆の利益に影響し、特許制度の公平、公正の趣旨に反するからである。

 

経済部智慧財産局(※台湾の知的財産権主務官庁。日本の特許庁に相当)は、2016年に「訂正の専利審査基準(※訂正審判・訂正請求の審判便覧に相当)」の改定案を完成させ、2016103日付けで改定案を公告し、また、公聴会を2回開催して公衆に意見を聴取した後、201711日から改定が発効した。

 

今回の訂正審査基準の改定ポイントは以下のとおり。

 

1.         特許請求の範囲の減縮

 

今回の改定では「訂正後の発明が属する技術分野及び発明が解決しようとする課題が訂正前と異なってはならない」が削除され、その原因は特許請求の範囲を減縮することにより、解決しようとする課題の変更が生じることには至らないはずであるからである。

 

2.         明瞭な記載の釈明

 

今回の改定で「公告後の特許請求の範囲にとって、相互の従属関係が複雑である又は解読困難をもたらすことから、引用形式で記載された請求項を独立項へ書き換える」というのが不明瞭な記載の釈明に属し、訂正することができると明らかに定められる。

 

3.         公告時の特許請求の範囲の実質的拡大又は変更

 

今回の改定で「公告時の特許請求の範囲の実質的拡大」と「公告時の特許請求の範囲の実質的変更」の態様について、より明確になるようそれぞれ分けて説明がなされる。

 

公告時の特許請求の範囲の実質的な拡大については、「特定用途の請求項をその他の用途にも適合可能な請求項に訂正した」という態様を削除し、これは2013年に改定された専利審査基準の物の発明が世界公知・世界公用の概念を採っていることに合わせたためである。今回の改定では、特許請求の範囲の実質的拡大となる態様についても理解し易いよう各場合の後に列挙して説明されている。

 

公告時の特許請求の範囲の実質的変更については、主に「請求項の訂正後、訂正前の特許請求の範囲に記載された技術的特徴に属しない下位概念の技術的特徴又はさらに限定された技術的特徴が盛り込まれる」と「特許出願に係る発明の産業上の利用分野又は発明の解決しようとする課題が訂正前のものと異なる」の判断基準を「請求項に技術的特徴が盛り込まれた後、訂正前の請求項の発明の目的を達成することができない」に改め、また、それに合わせて「訂正前の特許請求の範囲に記載されていないが、明細書又は図面においてすでに開示された技術的特徴を請求項に盛り込んだ場合」、「独立項を削除した後、従属項を独立項に書き換えた‥‥」及び「従属項の従属関係を変更し又は引用記載形式の独立項の従属関係を変更する」等の態様を削除した。今回の改定では、特許請求の範囲の実質的変更となる態様についても理解し易いよう各場合の後に列挙して詳しく説明されている。

 

今回の訂正の審査基準の改定ポイントは、さらに以下の点もある。引用形式で記載された請求項に従属関係の複雑さ又は解読困難という場合、不明瞭な記載の釈明に属し、また、請求した物の用途に係る対象の名称を訂正する、及び請求項に技術的特徴を盛り込んた後(独立項を削除した後、従属項を独立項に書き換えることを含む)、なおも訂正前の請求項の発明の目的を達成することができるという場合、公告時の特許請求の範囲の実質的拡大又は変更にはいたらず、登録後訂正することができることを明らかにするものである。

 

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