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公平交易委員会「同業者団体等の事業者団体に対する規制の説明」の改定



公平交易委員会(以下、「公平会」という。)によって、2016617日に「公平交易委員会による同業者団体等の事業者団体に対する規制の説明」(以下、「同業者団体規制」という。)が改定、公告され、そして同日より発効しました。この改正では、201524日に公布・施行された改正公平交易法(以下、「公平法」という。)に合わせて、関連規定が改定されました。さらに、公平会の過去の処分案件を参考に同業者団体等の事業者団体の行為がカルテル行為となりうる類型が改定され、また、競争制限行為を構成しうるその他の行為類型も追加されました。

 

以下、今回の改正の要旨をご説明いたします。

 

一、公平法における「事業者」に関する定義の改正に合わせて、法により設立された構成員の利益を促進する団体も規制対象となりました。そして、公平法施行細則第2条の規定を参考に同業者団体規制の適用対象が明記されました。

 

二、公平会の過去の処分案件に照らし、同業者団体等の事業者団体の行為でカルテル行為になりうる類型を改定し、また、その事例を追加しました。

(一)       価格競争をしないよう構成員を拘束すること、又は構成員の商品価格若しくは役務報酬を設定すること(例えば、価格(参考)表若しくは料金徴収基準を制定すること、又はその価格の変更の幅を制限すること)。

(二)       構成員の商品又は役務の取引地域、取引先又は取引内容を制限すること(例えば、互いに取引対象者を奪い合わないように構成員を拘束すること、構成員の入札金額又は入札の可否等の入札内容を制限すること、構成員の川上及び川下の事業者に非構成員との取引中止を要求すること)。

(三)       事業者の関連市場への進出を制限すること。(例えば、非構成員の商品販売又は役務提供を拒否すること、法律により入会しなければ業務できない事業について入会の申込みを拒絶すること)。

(四)       構成員の商品又は役務の種類、規格又はモデルを制限すること。

(五)       構成員の商品又は役務の製造、輸送、販売、供給、又は生産能力や規模の拡大を制限すること(例えば、休日若しくは休業日の統一若しくは増減を実施すること、又は構成員の出展回数を制限すること)。

(六)       構成員の商品販売条件、役務提供条件又はその他の取引の支払に関する条件を制限すること(例えば、構成員が広告に特定の価格を表示することを制限すること)。

 

 

(七)       その他共同で事業者の競争に関する行為を拘束すること。

 

三、公平会の過去の処分案件に照らし、同業者団体等の事業者団体が公平法第20条第1号、第2号又は第4号に違反しうるその他の競争制限行為の類型が以下のとおり追加されました。

(一)       拘束又は制裁手段を伴い、書簡の送付、ファックス又はブラックリストによって特定の事業者をボイコット又は排除する行為で、競争を制限するおそれがあるもの。

(二)       カルテル行為にまでは該当しないものの、正当な理由なく他の事業者に対し差別的な扱いをする行為で、競争を制限するおそれを有するもの。例えば、正当な理由なく法律により入会しなければ業務執行できない事業について入会を拒絶すること。

(三)       脅迫、利益誘引又はその他の不正な方法で、構成員に価格競争をさせない行為。例えば、

・入会拒絶をすること

・構成員に対し各種の経営コストに関する資料を開示した上で商品価格又は役務報酬を調整するように構成員を誘導すること

・自ら計算した上で商品価格又は役務報酬を調整するように構成員に通知又は提案すること

・担保金を徴収して構成員の価格引下げ競争を防ぐこと

・特定の取引相手方を排除するため構成員に対し誓約書への署名を要請すること

・内部規則を制定して構成員にカルテル行為への参加を促すこと

 

四、同業者団体等の事業者団体が行う行為で、原則として公平法に違反しない行為の類型が追加されました。

(一)       国内外の工業、商業及びサービス業に関する市場調査、統計、研究及びトレンドリサーチ等の産業資料を収集して、参考として構成員に提供すること。

(二)       構成員の従業員向けの職能教育訓練及び研究開発業務、プロモーション業務や経営管理方法の研修会等を開催すること。

(三)       農業関連法令に従い、農政主務官庁の求めに応じて生産販売の調整措置を行うこと。

(四)       対象事業の主務官庁から公権力行使の委託を受けた事項を執行すること。

(五)       構成員の法令遵守を促進するため、自主規制規約、職業倫理規範等の自主規制を制定すること。

 

五、また、公平法第43条に合わせて、事業者団体の構成員も併せて処罰することができる旨の規定が追加されました。但し、同条では、構成員が違法行為を認識していなかったこと、参加していなかったこと、実施していなかったこと又は公平会の調査開始前にすでに当該違法行為を中止したことを証明した場合は、処罰されない旨が規定されています。

 

同業者団体等の事業者団体は、構成員間の関係を調整し、共同の利益を促進するために設立される組織であることを鑑み、その行為と公平法との適用関係は以前より各界から注目されてきました。公平会の今回の同業者団体に関する規制の改正は、同業者団体等の事業者団体の法令遵守に資するものであり、同時に、公平会が案件を処理する際の基準になると考えられます。


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