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「公平交易法施行細則」改正内容



2015年に新たに公布、施行された「公平交易法」(※日本の不正競争防止法及び独占禁止法に相当。以下、「公平法」というに合わせて、公平交易委員会(※日本の公正取引委員会に相当。以下、「公平会」という)は、201572日に改正「公平交易法施行細則」(以下、「施行規則」という)を公布した。以下では、今回の改正の重要な点を説明する。

       「支配従属関係」に関する定義を追加

施行規則第6条を追加し、公平法第10条第2項及び第11条第2項の結合規定中のいわゆる「支配従属関係」を明文化した。即ち、他事業者の株式の過半数を保有している場合、又は、直接、間接的に他事業者の人事、財務若しくは業務経営を支配している場合、いずれも、この事業者に対し支配力を有するものとされた。また、他事業者の全部若しくは主要部分の営業若しくは財産を譲受け若しくは貸借し、又は他事業者と恒常的に共同経営を行い、若しくは他事業者から経営委託を受けたことによって、ある事業者が別の事業者に対して支配力を有するに至った場合も、支配従属関係が認められる旨規定された。

このほか、公平法第11条第34項において、事業者に対し支配性持株(支配基準に達した株式)を有する人又は団体を結合関連規定の事業者とみなす旨規定された。これに合わせて施行規則も改正され、事業者に対し支配性持株を有する自然人又は団体及びその関係人の保有する他事業者の議決権付き株式又は出資額が、他事業者の発行済み議決権付き株式総数又は出資額の半数を超える場合も、支配従属関係が認められる旨の規定が新たに追加された。

さらに、事業者と他事業者の業務執行株主若しくは取締役の半数以上が同じである場合、又は事業者と他事業者の発行済み議決権付き株式総数若しくは資本総額の半分以上を同一の株主が保有し若しくは出資している場合、支配従属関係が存在すると推定する旨規定された。

       事業結合申請の主体(申請人)及び必要書類に関する規定の改正

他事業者の株式又は出資を保有又は取得する形態の事業結合の申請人(どの事業者が申請するか)について、他事業者の株式又は出資を保有又は取得する事業者の間に、支配従属関係が認められる場合、又は同じ(単数又は複数の)事業者の支配を受ている場合、最終的な親会社を申請人としなければならない旨の規定が追加された。

添付資料についても、公平法第11条第2項の改正に合わせて改正された。前会計年度売上高について、結合に参加する事業者に加えて、結合に参加する事業者と支配従属関係を有する事業者及び結合に参加する事業者と同じ(単数又は複数の)事業者の支配を受ける従属関係にある事業者の売上高も、結合申請書に追加された附表2に記載しなければならない旨明記された。また、公平法第11条第3項にいう支配性持株の情況が認められる場合、事業者とみなされる人又は団体が保有する他事業者の議決権付き株式又は出資額の概況を、結合申請書に追加された附表12に記載しなければならない旨規定された。

過去の実務において、申請者が多国籍企業であること、敵対的吸収合併(Hostile Merge)、親族企業の財産紛争などの事情により、全ての関係者の資料を取得することが困難であるために申請書類を滞りなく準備することができないといった事態がしばしば生じていた。そして、公平法改正によって事業結合についての規制の範囲が拡大され、関係企業及び自然人又は団体が支配性持株を有する場合も規制の対象となるようになったことを考慮すると、申請人にとってはさらに資料収集が困難となる可能性があることになる。そこで、今回の法改正では、正当な理由により書類又は資料を全て揃えて提出することができない場合、申請書においてその旨表明し釈明することとして、実務上の要請に応えた。

       再販売価格制限に関する正当な理由を新たに追加

公平法第19条では、正当な理由があるときは事業者はその取引相手方の商品再販売価格を例外的に制限することができる旨規定されている。「正当な理由」の認定に関して、公平会は、国際社会における趨勢を参酌し審酌できる要素を施行規則に追加した。かかる要素には、川下事業者による販売前のサービスの効率又は品質の向上の奨励、フリーライダー防止、新たな事業者又はブランドの参入の促進、ブランド間の競争の促進など、競争への配慮に関する経済上の合理的な事由が含まれる。

「低価格での誘引」「競争を制限するおそれ」に関する判断基準を新たに追加

公平法に第20条第3号が追加され、事業者が低価格での誘引により競争者の競争への参入又は従事を阻害し、競争を制限するおそれがあるときは、事業者はこれをしてはならないとされた。施行規則によると、「低価格での誘引」とは、コストより低い又は明らかに相当ではない価格により競争者の競争への参入又は従事を阻害することを指す。また、「低価格での誘引」の判断は、原則として、平均変動費を基準としつつも、例外的に、個別案件ごとに市場構造、製品特性などの要素を参酌して、平均回避可能費用、平均増加費用、又は仕入原価などの基準を採用することができるとされている。

公平法第20条第2号では、事業者が他事業者に対し正当な理由なく差別待遇を与え、競争を制限するおそれがあるとき、事業者はこれをしてはならない旨規定されている。競争を制限するおそれの有無をいかに判断するかに関しては、施行規則では、当事者の意図、目的、市場における地位、それが属する市場の構造、商品又は役務の特性や情況が市場競争に与える影響などを総合的に判断しなければならない、と明記されている。また、この競争を制限するか否かに関する判断要素は公平法第20条第3号の「低価格での誘引」及び第20条第5号の不当な制限に係る事例にも適用することができるとされている。

 

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