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台湾以外での先使用商標は他人の冒認出願商標の無効審判依拠となる



台湾商標法は商標の保護について、使用主義ではなく、先願主義を採用しているため、先に使用していても登録していない商標は、原則として、保護を受けることができない。しかし、商標の使用は商標存在の意義及びその価値のよるものであるため、過度に硬直した対応によって弊害を生じることのないよう、商標法では例外的に一部条文に使用主義の精神を取り入れ、未登録であっても先に使用している商標について、依然として事情を斟酌し保護している。かかる条文には、商標法第30条第1項第12号(即ち、旧商標法第23条第1項第14号)の、他人が先に使用している商標を冒認出願しても登録できない旨の規定が含まれる。当該条文には、同一又は類似の商標又は役務について、他人が先に使用している商標と同一又は類似のもので、出願人が当該他人との間に契約、地縁、業務上の取引又はその他の関係を有することにより、他人の商標の存在を知っており、意図的に模倣し、登録出願した場合、登録することができない、と規定されている。
いわゆる「先に使用している」商標については、台湾国内での使用に限定するのか、台湾以外の国又は地域での商標使用も含まれるのか、疑義がないわけではない。厳格な商標属地主義を採用するのであれば、台湾国内での使用にのみ限定されるように思われる。
最高行政裁判所の103年(西暦2014年)度判字第23号判決は、商標無効審判事件に関する知的財産裁判所の102年(西暦2013年)度行商訴第4号行政判決を不服とする上訴事件について、知的財産裁判所の見解を支持し、「商標法の、他人が先に使用している商標を冒認出願しても登録できないことに関する規範は、未登録だが台湾国内外で先に使用されている商標すべてについて事情を斟酌し保護を与えるものであり、台湾国内で先に使用されている商標に限定していない」と判示している。その後、知的財産裁判所は、103年(西暦2014年)度行商訴字第57号行政判決においても最高行政裁判所の103年(西暦2014年)度判字第23号判決の主旨を援用し、同じ見解を採用している。
知的財産裁判所の103年(西暦2014年)度行商訴字第57号行政判決はさらに一歩踏み込んで、「いわゆる『先に使用している』商標とは、係争商標に対して、相対的に先に使用している商標を指し、絶対的に先に使用している商標に限定するものではない。たとえ、無効審判請求の引用商標よりも早く並存登録又は使用されているその他の商標があり、当該引用商標は無効審判請求人が創出した又は一番最初に使用したものではなかったとしても、係争商標の登録出願前に、当該引用商標が同一又は類似の商品において同一又は類似の商標図案を使用してさえいれば、本条項は適用される」と判示している。
最高行政裁判所及び知的財産裁判所は、「先に使用している」商標の意味を明確にしただけでなく、商標を先に使用している権利者に対しても十分な保護を提供している。

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